SBCU先生が検証!「S-WORKS 6 XC MTB SHOES」

2016/11/16

SBCU先生が検証!「S-WORKS 6 XC MTB SHOES」

ロードゆずりのペダリング効率にオフロード最適化を追求した、最新のクロスカントリーレーシングシューズだ。

XCシューズはクロスカントリー、シクロクロス競技がターゲットです。両者がシューズに求める機能はペダリングの効率化、同時に歩行とランニングの効率化です。ペダリングという点ではソールは硬く、軽く、アッパーには張り付くような密着感を、ということが効率化を促す常套手段ですが、行き過ぎたペダリング性能は、オフロードではデメリットになりかねません。

S-WORKS 6 XC MTB SHOEをチェック > 

勝ちたいなら必須

結論から言えば、レースで勝ちたいなら必須、ということになります。いわずもがな、S-Works XCシューズの命題は、原型であるロード版のオフロード最適化です。実際、歴代モデルは足型含む基本設計をロードからそのまま踏襲して、大雑把にいうとトレッドパターンを貼り付けたというものでしたが、今回は真の意味でオフロードに最適化を図り、フルモデルチェンジを遂げました。2016年7月のMTBクロスカントリー世界選手権U23で優勝したサム・ゲイズのように、S-Works 6 XCシューズとともに絶対に負けられないレースに臨んでいただきたいものです。

では、詳細を検証してみましょう。

<ポイント>

  • 1.S-Works 6 ROADをオフロード用に最適化
  • 2.アシ負けしない前足部のしなりチューニング
  • 3.持って履いてわかる軽さ(5XCよりも40グラム軽量。42サイズ片足)
  • 4.すべりにくいトレッドパターンと素材
  • 5.余裕のあるつま先形状

6.待望のハーフサイズ投入

前足部にしなりチューニング

S-Works 6 XCのアウターソール設計はS-Works 6 ロードと異なります。特に前足部は歩行とランニングで自然にしなるように硬さをチューニングしました。正直なところ、5までのXCシューズはガチガチに硬く、ランニングの多いシクロクロスコースでは後半戦に膝への負担が高くなることがありました。私自身はこれを避けるために、ランの多いコースではプラスチックソールのCompモデルを使い分けていましたが、ランのしなりは抜群の反面、ペダリングではしなり過ぎるきらいがあり、また重量増によるペダリング効率の損失がネックでした。

新しいS-Works 6 XCはペダリング効率を損なうことなく、歩きやすさ、ランニングのしやすさを高いレベルで両立しています。今回、私自身の導入にあたり、S-Works 6 XCを履いて閉鎖コースでシクロクロスレース60分を想定したテストを実施。セッティングは、ロードのボディジオメトリー・フィットで得た膝のアライメント、クリート位置を再現して臨んでいます。

履きやすく脱げにくい

早速、BOAダイヤルを全開放してワイヤーをフックから外し、タンを引き上げて足を滑り込ませると、ロード版で感じたパッドロックヒールとかかとの摩擦がありません。ロード版と異なる摩擦の低い素材を用いることで脱ぎ履きのしやすさを実現しています。一方でかかとの抜けを防ぐために、パッドロックのモールディングは前方除きくるぶし全周に回り込んでおり、伸縮ゼロのダイニーマ繊維の甲からかかとにかけての補強と相まって、歩行・ラン時にそのメリットを発揮します。その際にソール前足部がしなることでかかとを保持したまま、シューズと足全体の密着を損なうことなく、一連の動作を完結できます。

気持ちアガル衝撃吸収力

初見の良さも相まって、気持ちも周回コースのラップタイムも上がります。シクロクロスはクロスカントリー以上に加減速の頻度が高い競技です。周回の距離も短いので、少しのロスが結果として大きなロスに積みあがります。一方で加速の効率を重視し過ぎると、後半に疲労となって現れます。ロード同様の設計によるアウターソールをそのままオフロードに持ち込むと、確かにペダリング効率は高くなりますが、路面からの衝撃をソールで吸収できずに膝にストレスがかかることになり、膝や股関節の屈曲をサスペンション代わりにせざるを得ず、不必要に筋肉が動員され疲労につながります。それがこれまでのS-Works XCシューズの弱点でもありました。

ランでも快適

しかし、ソールのしなり以外にも、ヒールラグ(ブロック)のレイアウトと材質変更が歩行・ランの効率化をもたらしたおかげで、シケインの乗り降りも膝にダメージを与えることなくクリアできました。近年当たり前になった、クロスカントリーコースのロックセクションで降車、ランニングする際にも滑りにくく、サドルへの復帰をスムースにできます。スパイクが金属ピン型から低めの樹脂タイプに変更となり、接地時の加重が中央のトレッドからスパイク、つま先へ移行しやすくなった点も歩きやすさを助けています。

アシ負けしないしなやかさ

1周4分半ほどのラップを刻む60分走の後半においても、「アシがシューズ負け」することなく高負荷でペダリングし続けることができ、降車とリマウントを繰り返すことができました。あきらかに5XCの時よりもアシが残っていた印象です。

フィット感が向上

さらに、つま先の形状はロード版よりも縦横にボリュームがあるので、幅が広い大多数の日本人にとってプラスのはずですし、つま先は動的な運動をし続けますので、指先がじゅうぶんに動く空間を保持することは、ロードのそれよりも重要です。

袋縫いのストーロブル製法、メッシュ窓の廃止、超極薄のセラミックプリントによるバンパー処理、部材が無いことでつま先周辺のストレッチが自由になり、フィット感は抜群です。

扱いやすさも向上

内側の製法に目をやると、吸水しやすいメッシュの裏地はタンのみに採用。雨天時に靴全体が水分を吸って重くなることは減るでしょうし、レース後の乾燥も速くなるでしょう。

また、ペダリングは足のアーチの変形を嫌いますが、歩行やランニングでは必要な動きです。アーチのつぶれによって足は少し長くなるので、オフロード走行ではいつものロードのサイズよりも少し大き目がよいでしょう。今回、S-Works 6 XCは40から44サイズの間でハーフサイズを投入しました。これで、ワンサイズUPでは大きすぎたライダー、DOWNでは小さすぎたライダーにとって福音となるでしょう。

足とシューズは、バイクとライダーの3接点のなかでも最も動的であり、効果を感じやすい箇所です。レースでもうひと踏ん張りしたいガッツあるライダーなら迷うことなく導入していただきたい一足です。

結局は最新版が最高!

 

(SBCU 佐藤 修平)

S-WORKS 6 XC MTB SHOEをチェック > 

関連記事:
30年間もスタンダードであり続けるそのプライド。MTBタイヤ「GROUND CONTROL」(2016年10月3日)
教えてSBCU先生!スペシャライズドの「知識の泉」に、ネホリハホリ聞いちゃうぞ(2016年7月4日)

2016/11/16

SBCU先生が検証!「S-WORKS 6 XC MTB SHOES」

ロードゆずりのペダリング効率にオフロード最適化を追求した、最新のクロスカントリーレーシングシューズだ。

SBCU先生が検証!「S-WORKS 6 XC MTB SHOES」

XCシューズはクロスカントリー、シクロクロス競技がターゲットです。両者がシューズに求める機能はペダリングの効率化、同時に歩行とランニングの効率化です。ペダリングという点ではソールは硬く、軽く、アッパーには張り付くような密着感を、ということが効率化を促す常套手段ですが、行き過ぎたペダリング性能は、オフロードではデメリットになりかねません。

S-WORKS 6 XC MTB SHOEをチェック > 

勝ちたいなら必須

結論から言えば、レースで勝ちたいなら必須、ということになります。いわずもがな、S-Works XCシューズの命題は、原型であるロード版のオフロード最適化です。実際、歴代モデルは足型含む基本設計をロードからそのまま踏襲して、大雑把にいうとトレッドパターンを貼り付けたというものでしたが、今回は真の意味でオフロードに最適化を図り、フルモデルチェンジを遂げました。2016年7月のMTBクロスカントリー世界選手権U23で優勝したサム・ゲイズのように、S-Works 6 XCシューズとともに絶対に負けられないレースに臨んでいただきたいものです。

では、詳細を検証してみましょう。

<ポイント>

  • 1.S-Works 6 ROADをオフロード用に最適化
  • 2.アシ負けしない前足部のしなりチューニング
  • 3.持って履いてわかる軽さ(5XCよりも40グラム軽量。42サイズ片足)
  • 4.すべりにくいトレッドパターンと素材
  • 5.余裕のあるつま先形状

6.待望のハーフサイズ投入

前足部にしなりチューニング

S-Works 6 XCのアウターソール設計はS-Works 6 ロードと異なります。特に前足部は歩行とランニングで自然にしなるように硬さをチューニングしました。正直なところ、5までのXCシューズはガチガチに硬く、ランニングの多いシクロクロスコースでは後半戦に膝への負担が高くなることがありました。私自身はこれを避けるために、ランの多いコースではプラスチックソールのCompモデルを使い分けていましたが、ランのしなりは抜群の反面、ペダリングではしなり過ぎるきらいがあり、また重量増によるペダリング効率の損失がネックでした。

新しいS-Works 6 XCはペダリング効率を損なうことなく、歩きやすさ、ランニングのしやすさを高いレベルで両立しています。今回、私自身の導入にあたり、S-Works 6 XCを履いて閉鎖コースでシクロクロスレース60分を想定したテストを実施。セッティングは、ロードのボディジオメトリー・フィットで得た膝のアライメント、クリート位置を再現して臨んでいます。

履きやすく脱げにくい

早速、BOAダイヤルを全開放してワイヤーをフックから外し、タンを引き上げて足を滑り込ませると、ロード版で感じたパッドロックヒールとかかとの摩擦がありません。ロード版と異なる摩擦の低い素材を用いることで脱ぎ履きのしやすさを実現しています。一方でかかとの抜けを防ぐために、パッドロックのモールディングは前方除きくるぶし全周に回り込んでおり、伸縮ゼロのダイニーマ繊維の甲からかかとにかけての補強と相まって、歩行・ラン時にそのメリットを発揮します。その際にソール前足部がしなることでかかとを保持したまま、シューズと足全体の密着を損なうことなく、一連の動作を完結できます。

気持ちアガル衝撃吸収力

初見の良さも相まって、気持ちも周回コースのラップタイムも上がります。シクロクロスはクロスカントリー以上に加減速の頻度が高い競技です。周回の距離も短いので、少しのロスが結果として大きなロスに積みあがります。一方で加速の効率を重視し過ぎると、後半に疲労となって現れます。ロード同様の設計によるアウターソールをそのままオフロードに持ち込むと、確かにペダリング効率は高くなりますが、路面からの衝撃をソールで吸収できずに膝にストレスがかかることになり、膝や股関節の屈曲をサスペンション代わりにせざるを得ず、不必要に筋肉が動員され疲労につながります。それがこれまでのS-Works XCシューズの弱点でもありました。

ランでも快適

しかし、ソールのしなり以外にも、ヒールラグ(ブロック)のレイアウトと材質変更が歩行・ランの効率化をもたらしたおかげで、シケインの乗り降りも膝にダメージを与えることなくクリアできました。近年当たり前になった、クロスカントリーコースのロックセクションで降車、ランニングする際にも滑りにくく、サドルへの復帰をスムースにできます。スパイクが金属ピン型から低めの樹脂タイプに変更となり、接地時の加重が中央のトレッドからスパイク、つま先へ移行しやすくなった点も歩きやすさを助けています。

アシ負けしないしなやかさ

1周4分半ほどのラップを刻む60分走の後半においても、「アシがシューズ負け」することなく高負荷でペダリングし続けることができ、降車とリマウントを繰り返すことができました。あきらかに5XCの時よりもアシが残っていた印象です。

フィット感が向上

さらに、つま先の形状はロード版よりも縦横にボリュームがあるので、幅が広い大多数の日本人にとってプラスのはずですし、つま先は動的な運動をし続けますので、指先がじゅうぶんに動く空間を保持することは、ロードのそれよりも重要です。

袋縫いのストーロブル製法、メッシュ窓の廃止、超極薄のセラミックプリントによるバンパー処理、部材が無いことでつま先周辺のストレッチが自由になり、フィット感は抜群です。

扱いやすさも向上

内側の製法に目をやると、吸水しやすいメッシュの裏地はタンのみに採用。雨天時に靴全体が水分を吸って重くなることは減るでしょうし、レース後の乾燥も速くなるでしょう。

また、ペダリングは足のアーチの変形を嫌いますが、歩行やランニングでは必要な動きです。アーチのつぶれによって足は少し長くなるので、オフロード走行ではいつものロードのサイズよりも少し大き目がよいでしょう。今回、S-Works 6 XCは40から44サイズの間でハーフサイズを投入しました。これで、ワンサイズUPでは大きすぎたライダー、DOWNでは小さすぎたライダーにとって福音となるでしょう。

足とシューズは、バイクとライダーの3接点のなかでも最も動的であり、効果を感じやすい箇所です。レースでもうひと踏ん張りしたいガッツあるライダーなら迷うことなく導入していただきたい一足です。

結局は最新版が最高!

 

(SBCU 佐藤 修平)

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カテゴリ:
MTB
エキップメント
キーワード:
MTBシューズ
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