アイアンマン世界選手権への挑戦 第4回 スタートラインに立つ

2015/10/09

アイアンマン世界選手権への挑戦 第4回 スタートラインに立つ

ハワイの気候に、我を忘れてしまう。浮き足立つな、平常心で行こう。世界のトッププロも集結して来た。否応なしに興奮状態となる。ただ、それをパワーに変えればいい。

現地入り

ついにハワイに来た。全トライアスリートの憬れの「聖地」がここ、ハワイ島のコナなのだ。すでに現地入りしている選手も大勢いる。空港からレース会場までの移動中にも、バイクを乗り込んでいる選手たちを見ることができる。どうしても逸る気持ちになってしまう。みんな速そうだ。そうなのだ。そこには、プロ選手はもちろんだが、予選を勝ち上がってきた、強豪エイジ選手たちばかりなのだ。やはり、予選のアイアンマンとは、雰囲気が違っている。興奮し、そして緊張感が高まっているのは、自分だけだろうか。さあ、これからアイアンマンウィークとして、レースだけではなく、選手登録からパーティーまで、様々プログラムが待っている。少しは、楽しむ気持ちもあると良いのだが、レースでベストパフォーマンスとなることが、本当に意味で、楽しむということなのだろう。「早速走ってみましたが、風が強いですね。また暑さがかなり厳しいので、潰れないように、しっかりと頭を使ったレース展開が必要になると思いますね。」 やや旅の疲れと緊張感の中、笑顔で答えてくれた。

スタートラインに立つ意味

このアイアンマンレースに出場するために、すでに一つのゴールを成し遂げている。それは、仕事、家庭、そしてトレーニングという3つのバランスを取り、ここハワイの地に立つことが、最初のゴールなのだ。この3つ以外にももっとあるはず、そして、そんな多忙の中で、ハイレベルなトレーニングを積んで、このアイアンマン世界選手権の出場権を獲得しているのだ。ここまででも十分に頑張って来た。ただ「次」があるかどうかなんてわからない。これほど多くの人にお世話になり、きついトレーニングを積み重ねて今がある。簡単には、諦められない。だからこそ、それまでの一つ一つを思い出しながら、レースを頑張ることができるのだ。体調管理も含め、本当に多くのハードルを超え、この世界選手権に出られる。写真のボードには、アイアンマンレースの「スタートリスト」として全選手の氏名が書かれている。世界の舞台に自分がいる。やっと、ここまでたどり着いたのだ。

ライバル

実は、2011年初出場の後、再度挑戦するきっかけを作ってくれた仲間であり、ライバルがいる。職場、家庭、それぞれの関係の中で、理解してくれる人たちにも感謝をしている。そして、「アイアンマンの目線」で評価してくれる仲間やライバルもまた良き理解者なのだ。トレーニング内容について、意見をしてくれたり、同じ事をしている立場から見えることを伝えてくれるのだ。実際に一緒にトレーニングすることはないが、ハワイレベルになれば、情報交換だけでも、十分な刺激となり、辛いトレーニングも頑張ることができる。トレーニングの評価や、辛さをわかってくれている人からの意見は、素直に聞くことができるのだろう。「2011年のハワイ以降、アイアンマンの友人も増えて、良い刺激を受けていますね。」トライアスロンの環境として、「トレーニング」「情報」そして、「仲間」が重要。この環境が整えば、より充実した「トライアスロンライフ」を楽しむことができる。

決戦直前に思うこと

予選のアイアンマンジャパンから6週間が経ち、いよいよ本戦となるアイアンマン世界選手権を目前としている。ここハワイのアイアンマンは、人の優しさと、コースの厳しさを合わせ持つ、壮大で過酷な大会だ。「正直なところ、ハワイに来てまだリラックスしていますが、当日に向け、少しずつ戦闘モードが高まってくると思います。」 小松選手の表情が少しずつ、「競技者」の顔に変わって来た。

1週間前(9/30~10/6)のトレーニング内容

SWIM

BIKE

RUN

内容

km

内容

km

内容

km

30

100X20 (1'35'')

2

1

海老名運動公園スピード 4'26''

 8.5

2

100X11

1.1

海老名運動公園スピード 4'24''

 10

3

100X9

0.9

小田厚 36

90

 

 

4

150X10

1.7

産業道路 36.3

36

多摩川ネガティブ 4'36''>30''

20

5

1500 23'35''

1.6

 

 

6

150X10

1.7

清川村

25

 

 

合計

 

 

7

 

151

 

38.5

さあ、最後の1週間も調整トレーニングとして、十分な量をこなしている。特に負担の少ないスイムは、トップシーズン最高レベルのペースとなっている。このタイミングでは、疲労を残さないようにすることが大切だ。そのため、バイクやランは抑えている。直前で、慌ててトレーニングしても意味がない。「ハワイに到着後は、身体をほぐす程度のトレーニングしかやりませんね。」 大切なことは、持てる力を出し切れるかどうかだ。気合、根性はいらない。意味もないのだ。やってきたこと以上の結果は出ない。ラッキーはない。ただ、ただ、「気持ち」をしっかり持って集中できないと、持っている力も出てこない。そんな自分との戦いが間もなく始まる。最後は、自分を信じるだけだ。

いよいよ、土曜日は、決戦の日!

【筆者紹介】:Triathlon GERONIMO 大塚修孝

トライアスロンジャーナリスト。トライアスロンの関わり25年。1996年から、アイアンマンを追い続けている。

関連記事:
アイアンマン世界選手権への挑戦 第3回 世界でのポジションを確認する(2015年10月2日)

2015/10/09

アイアンマン世界選手権への挑戦 第4回 スタートラインに立つ

ハワイの気候に、我を忘れてしまう。浮き足立つな、平常心で行こう。世界のトッププロも集結して来た。否応なしに興奮状態となる。ただ、それをパワーに変えればいい。

アイアンマン世界選手権への挑戦 第4回 スタートラインに立つ

現地入り

ついにハワイに来た。全トライアスリートの憬れの「聖地」がここ、ハワイ島のコナなのだ。すでに現地入りしている選手も大勢いる。空港からレース会場までの移動中にも、バイクを乗り込んでいる選手たちを見ることができる。どうしても逸る気持ちになってしまう。みんな速そうだ。そうなのだ。そこには、プロ選手はもちろんだが、予選を勝ち上がってきた、強豪エイジ選手たちばかりなのだ。やはり、予選のアイアンマンとは、雰囲気が違っている。興奮し、そして緊張感が高まっているのは、自分だけだろうか。さあ、これからアイアンマンウィークとして、レースだけではなく、選手登録からパーティーまで、様々プログラムが待っている。少しは、楽しむ気持ちもあると良いのだが、レースでベストパフォーマンスとなることが、本当に意味で、楽しむということなのだろう。「早速走ってみましたが、風が強いですね。また暑さがかなり厳しいので、潰れないように、しっかりと頭を使ったレース展開が必要になると思いますね。」 やや旅の疲れと緊張感の中、笑顔で答えてくれた。

スタートラインに立つ意味

このアイアンマンレースに出場するために、すでに一つのゴールを成し遂げている。それは、仕事、家庭、そしてトレーニングという3つのバランスを取り、ここハワイの地に立つことが、最初のゴールなのだ。この3つ以外にももっとあるはず、そして、そんな多忙の中で、ハイレベルなトレーニングを積んで、このアイアンマン世界選手権の出場権を獲得しているのだ。ここまででも十分に頑張って来た。ただ「次」があるかどうかなんてわからない。これほど多くの人にお世話になり、きついトレーニングを積み重ねて今がある。簡単には、諦められない。だからこそ、それまでの一つ一つを思い出しながら、レースを頑張ることができるのだ。体調管理も含め、本当に多くのハードルを超え、この世界選手権に出られる。写真のボードには、アイアンマンレースの「スタートリスト」として全選手の氏名が書かれている。世界の舞台に自分がいる。やっと、ここまでたどり着いたのだ。

ライバル

実は、2011年初出場の後、再度挑戦するきっかけを作ってくれた仲間であり、ライバルがいる。職場、家庭、それぞれの関係の中で、理解してくれる人たちにも感謝をしている。そして、「アイアンマンの目線」で評価してくれる仲間やライバルもまた良き理解者なのだ。トレーニング内容について、意見をしてくれたり、同じ事をしている立場から見えることを伝えてくれるのだ。実際に一緒にトレーニングすることはないが、ハワイレベルになれば、情報交換だけでも、十分な刺激となり、辛いトレーニングも頑張ることができる。トレーニングの評価や、辛さをわかってくれている人からの意見は、素直に聞くことができるのだろう。「2011年のハワイ以降、アイアンマンの友人も増えて、良い刺激を受けていますね。」トライアスロンの環境として、「トレーニング」「情報」そして、「仲間」が重要。この環境が整えば、より充実した「トライアスロンライフ」を楽しむことができる。

決戦直前に思うこと

予選のアイアンマンジャパンから6週間が経ち、いよいよ本戦となるアイアンマン世界選手権を目前としている。ここハワイのアイアンマンは、人の優しさと、コースの厳しさを合わせ持つ、壮大で過酷な大会だ。「正直なところ、ハワイに来てまだリラックスしていますが、当日に向け、少しずつ戦闘モードが高まってくると思います。」 小松選手の表情が少しずつ、「競技者」の顔に変わって来た。

1週間前(9/30~10/6)のトレーニング内容

SWIM

BIKE

RUN

内容

km

内容

km

内容

km

30

100X20 (1'35'')

2

1

海老名運動公園スピード 4'26''

 8.5

2

100X11

1.1

海老名運動公園スピード 4'24''

 10

3

100X9

0.9

小田厚 36

90

 

 

4

150X10

1.7

産業道路 36.3

36

多摩川ネガティブ 4'36''>30''

20

5

1500 23'35''

1.6

 

 

6

150X10

1.7

清川村

25

 

 

合計

 

 

7

 

151

 

38.5

さあ、最後の1週間も調整トレーニングとして、十分な量をこなしている。特に負担の少ないスイムは、トップシーズン最高レベルのペースとなっている。このタイミングでは、疲労を残さないようにすることが大切だ。そのため、バイクやランは抑えている。直前で、慌ててトレーニングしても意味がない。「ハワイに到着後は、身体をほぐす程度のトレーニングしかやりませんね。」 大切なことは、持てる力を出し切れるかどうかだ。気合、根性はいらない。意味もないのだ。やってきたこと以上の結果は出ない。ラッキーはない。ただ、ただ、「気持ち」をしっかり持って集中できないと、持っている力も出てこない。そんな自分との戦いが間もなく始まる。最後は、自分を信じるだけだ。

いよいよ、土曜日は、決戦の日!

【筆者紹介】:Triathlon GERONIMO 大塚修孝

トライアスロンジャーナリスト。トライアスロンの関わり25年。1996年から、アイアンマンを追い続けている。

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