2018.03.26

竹谷賢二さんによるS-WORKS TARMAC DISCインプレッション【2018年11月更新】

スペシャライズドアドバイザーの竹谷賢二さんが完成度を高めて新登場したS-Works Tarmac Discを評価しました!

速度ゼロからの発進、インナーギアで軽く回して流しても、1000ワット近くでもがいてフル加速しても、平坦でも上りでも、高速ダウンヒルでもコーナーリングでも、路面がスムーズでも多少ひび割れてうねっていても、いつでもどこでもシャープな反応と乗りこなしやすいハンドリングは、誰にとっても気持ちが良いと感じられるもので、ずっと乗っていたいと思わせてくれます。

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ディスクブレーキ、キャリパーブレーキの両モデルに乗り比べましたが、基本的な剛性とハンドリングは同一レベルでいてどちらもやはりターマックですが、やはり差を感じます。
 


まずブレーキングでは圧倒的な差があります。
キャリパーでは繊細なタッチができると言えばポジティブですが、強いブレーキングパワーでのコントロールを繊細に繰り返すとなるとそれ相応に”握力”に負担がかかります。
同じコントロールをする時にディスクだと指先の僅かな”動き”で負担なくコントロールする事が出来ます。
MTBでのカンチ→Vブレーキ→ディスクという進化の歴史の中で、”如何に腕上がりしないか”という工夫とともに乗ってきた身からすると、ブレーキ性能は雨という悪条件下だけでなく、スピードコントロールの精度の向上と負担低減効果が大きく、ゆえにスピードアップが可能ということを体感しているので、ロードバイクでのディスクへの進化は大歓迎なのです。
ブレーキングを短い距離で正確にスピードコントロールして何度も負担なく繰り返す事が出来れば、結果的にコーナリング全体のスピードアップにも繋がり一山下りれば大きなタイム差となって表れる事でしょう。

 


乗り心地にも微妙とは言えない差を感じ、ディスクではブレーキ重量がホイール部に移る低重心効果か、直進とコーナーリングでの安定性が高くなったようです。
そして路面からの衝撃をいなしてくれる感じもより明確で、まるでフレーム&フォークが長い板バネになったかのような印象すら受けます。
キャリパーピボットを受ける部分に構造的な強さを設けなくなった分、連続した剛性コントロールが出来ているからかもしれません。
長い板バネ感は高いパワーでペダリングして、スピードアップしてくときの加速の伸びやかさにも感じます。
スルーアクスルによりフォークエンドという末端が強化されていることもあり、よりフレームをしなやかに作れている、あるいはそう感じるのかもしれません。
スルーアクスルもMTBで先んじて定着していますが、脱着の時にアーレンキーを持たなければならないデメリット以外は乗車中はメリットしかなく、コーナーリングとダウンヒル性能にも寄与することは誰でも異論ないところでしょう。

キャリパーブレーキしか乗った事がないサイクリストは、是非最新最高のターマックディクスブレーキに乗ってみてください。
数年前のディスクブレーキ初期のレバーは大柄で重くタッチは散漫でしたが、今やその印象も皆無です。
”時代が変わった”と後に進化の歴史を振り返って見た時に、その時ターマックディスクがあったと言うことが体験として残るはずです。

 


合わせて搭載されているS-Works Power Crankも使用しています。
非常にシンプルな作りでパワーメーターの存在は見た目にも、重さにも感じる事が出来ません。
しかしGarmin EDGE1030と組み合わせて見れば、その高い反応と正確なパワー表示が一目瞭然です。
シンプルな作りは表面にスイッチなどもなく、アプリを使い”ゼロオフセット”校正をします。
温度変化が生じる際を含めて定期的に校正は必要となりますので、簡単シンプルなアプリも使いやすくて好ましいです。

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2019年モデルの新色はこちら>


サテンブラック/シルバーホロ/クリーン


サテンブラック/ブラックリフレクティブ/クリーン


グロスフローレッド/ブライトイエロー


グロスアシッドピンク/パープル/チームイエロー/グラビティフェード/クリーン

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これなら勝てる!? TEAM TARMACメンバーは新しいS-WORKS TARMACをどう評価しているのか? Vol.2(2017年10月24日)


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