2019.12.06

竹谷 賢二さんによるe-ロードバイクTurbo Creo(クレオ)SL Expert EVO試乗レポート

スペシャライズドから待望のe-ロードバイクTurbo Creo SLが登場。早速竹谷 賢二さんにCreo SL Expert EVOを試乗してもらいました。

1、ライド体験を豊かにしてくれるTurbo Creo SL Expert EVO
まずは、楽しい!これに尽きます。
私にとっては良い意味で新感覚な楽しさというより、『こんな感じにペダリングしたい、進みたいイメージの先』を、本当に自然にアシストしてくれ、思いとイメージを具現化出来る楽しさです。

自らのペダリングでパワーを上げる、一定キープ、パワーを下げるという3つのコントロールをしたとき、いずれも意のままに反応してくれ、自分の筋力が増したような嬉しさと共に軽いペダリングで加速していきます。
今までならば、弛まぬトレーニングの果てに得られた能力あっての体験が、Creo SLになるだけで得られることは、加齢と共にその能力が消失していく私にとっては福音です。

どんなに天気が良くて時間があっても体が疲れていると気が乗らない、億劫でライドに行かないことは多々ありますが、これならばアシストが背中を押してくれるので臆することなく走り出せます。

その日の体調に合わせて、パワーモードを変えれば良いし、ライドの爽快感を気軽に得られることは、心身のアクティブレストに最適です。

時速24kmまでのアシスト速度制限も、もちろん本来のスペックである欧米規格のスピードでの体験とは異なりますが、狭い日本、スピード過多で様々な問題をはらむより、むしろその先のスピードをもとめるならばペダルバイクへ誘う、と棲み分けや楽しさの両立が出来る素晴らしさが残されたとポジティブに捉えられます。

今回はTurbo Creo SL Expert EVOにてグラベルを堪能、コントロールに集中出来る楽しさが最高でした!

いわゆるオフロードは路面抵抗が大きく、ペダリングパワーをしっかりかけ続けないとスピードが乗らないところに、凹凸があるので加重抜重と縦の動きも必要になりペダリングがしづらくなり、ハンドリングも余裕を持ってできないし、ノロノロと走ることで爽快感、コントロールする楽しみも得づらいものです。

しかしアシストがあれば足さえ回していればパワーがかかりスピードが乗り、スピードが乗るから加重抜重が出来る余裕が生まれ、その分バイクは安定して進み、ハンドリングを積極的にコントロールして楽しむことに集中できます。時速24kmのアシスト速度制限もグラベルであれば十分に範囲内で楽しめますし、Future Shock 2.0のおかげでとても乗りやすくなっています。

またアシストがあれば多少ラフなペダリングでも、トラクションが一定にかかり続けてくれるので、かなりガレた荒れた上り坂もセンタースリックなパスファンダーでスイスイ登っていくのは驚きでした。

2、重さを苦にしなくなる、バイクの重量も自分の体重も
サイクリングで負担になる、登坂と加速において抵抗となる重さ、バイク(及び装備)重量であり、自分の体重、これら重量負担をアシストが低減、というよりも全く苦になりませんでした。
時速24kmのアシスト速度制限でも登坂は全く問題なく、むしろ異次元の登りでプロの領域を垣間見れます。5%程度の緩斜面ではそれ以上出したいところですが(自力で出せる人以外には関係ないのかもしれません)、そこは上限でコントロールすれば良いことでしょう。激坂、斜度という概念は完全に帳消しにしてくれます。

加速においても、街中や信号でのストップ&ゴーという負担と面倒くささを低減してくれ、むしろ加速していく気持ち良さを感じる機会となります。シッティングでもダンシングでもスムーズ、重いギア比のまま止まってもトルクが出るのでほぼもたつかずにスルスルと車速が上がります。減速時の変速が疎かになっても大丈夫でしたので、ビギナーでも安心でしょう。
とは言え加速と登坂においてトルクアシストに慣れるとどんなギア比でも走れてしまうので、変速技術の後退を招くことには注意したいところです。

3、負担の平均化
トライアスロン、ロングでいうところのペーシングという運動強度、パワー、心拍数を一定にしてペース走行することが体力の温存や過度の負担を減らすことに繋がります。
逆にペースの上げ下げ、パワーを急峻でトゲのような出し方をするスパイクと呼ばれるようなことが多く続くと筋負担から疲労しやすく、エネルギー代謝の効率を負担させてペース全体が下がってしまいます。

Creo SLでしたら、ペダリングに応じた自然なパワーアシストで、加速と登坂でのスパイクを抑止してくれますし、時速24kmのリミッターが効いてアシストが止まっても、慣性が働きホイールが前に転がり続けているので、一定速度をキープするのは少ない踏力ですみます。

平地で速度を上げていくには空気抵抗が重力抵抗よりも大きな抵抗となりますので、車体重量よりも空気抵抗を減らすエアロはポジションやウエアなどの工夫が必要になりますが、エアロ性能に優れたRoval CLX 50 DiscホイールC38 Discホイールでしたら、時速35kmまでスルスルと上げられることでしょう。

加速と登坂で温存されたエネルギーを高速巡航で使うことができますので、負担は平均化して結果的に長距離も速く走破することに繋がります。実際に四国の右下ロードライド120kmでの望月さんの平均スピードと負担の少なさが、それを物語っています。
また冬はアシストのオンオフで体温調整にも活用できます。平地ではパワーオフで体温を上げて、登坂ではアシストオンで汗かきによる下り坂での冷え防止にもなります。任意のタイミングでアシストレベルをセレクトすれば、その人なりの使いこなしも見つかるかと思います。

4、ZWIFTの真逆体験
インドアでアウトドアでの実走行のようなペダリング体験が得られるZWIFTは、レースやトレーニングをハードに行う、短時間高強度の追い込みを求めるサイクリストに人気です。パワーを中心に変化をつけ、画面越しに得られる視覚効果、オンラインユーザー同士で競い合う臨場感も手伝って、単調で退屈なインドアトレーニングに、モチベーションを与えてくれます。

Creo SLはその真逆な体験、ハードなペダリング、追い込まれるような体力負担を減らし、他人を競い合うことを避けつつ、アウトドアの実際リアルな景色、空気、雰囲気を思いっきり満喫することが出来る、アウトドアで行う負荷を調整できるインドアトレーナーとしての逆説的なニーズを顕在化出来るでしょう。
ホノルルではスピナーを海に向かって行うスタジオが人気で、スポーツ&フィットネスクラブでのエアロバイク&スピニングバイクでの体験をアウトドアに持ち出せますから、健康志向の人にうってつけです。

5.トレーニング効果
それではハードなトレーニングを求めるサイクリストには関係ないかと言えばそうでもなく、前述リカバリーライドでの活用と共に、車重を逆に負荷として活かしたヒルクライムトレーニングに応用できるでしょう。
例えばヒルクライム20kmを5km毎の4つの区間に分けて、登り切るのは自分でもやってみたいトレーニングです。

1)アシストオフ    ペダリングパワー:高 アシスト:なし
2)ECOモード      ペダリングパワー:中 アシスト:低
3)SPORTモード ペダリングパワー:低 アシスト:中
4)TURBOモード ペダリングパワー:低 アシスト:高

こうすることで、気持ちよく頂上まで登り切ることができますし、持久力を高めることにも効果的でしょう。
そして、ペダリングスキル向上にも効果が見込めます。下手なペダリングスキルの多くは下死点でも下に踏み込み続ける力をかけて、ギクシャクとした走行感になりがちです。
Creo SLですとクランク同軸の一定の力で回し続けてくれるので、下死点などギクシャク部分をアシスト、スムーズな通過をサイクリストに体験させてくれるので、それをお手本として体で記憶すれば、ペダリングの洗練に繋がるでしょう。
加速をアシストでスムーズなペダリング、そのままアシストオフになってもスムーズなペダリングのままに加速をし続けることを繰り返すことが良さそうです。ゴールスプリントのイメージで、アシスト列車からスプリンターが発射するイメージですね。

以上のことを考慮すると、必ずしも最上位機種ではなくても、パワーユニットが同一でしたら、エントリーグレードでも十分な新体験とメリットがありそうだと思います。
 

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