2016.01.04

SEEK & ENJOY: ALASKA 前編

ブルックス山脈は、非常に人里から離れており、700マイル以上も北アラスカの東西に渡って延び、カナダのユーコン準州に及んでいます。

ブルックス山脈は、非常に人里から離れており、地質学的に古い広大な山で、700マイル以上も北アラスカの東西に渡って延び、カナダのユーコン準州に及んでいます。ドルトン・ハイウェイとして知られる、悪名高いほど荒れて危険な運搬路は、この山脈を東西に隔てており、その道を除いて、道や町、常設のトレイル、その他いかなる施設もありません。従って、この山脈にはほとんど人が訪れることがなく、長旅をして訪れる人々はほとんどの場合、度胸のあるパイロットによって、小さな湖や砂利道へとゲリラ的に着陸する、高価なチャーター便で訪れるのです。

パックラフティング(荷物を積んでのラフティング)の人気が上がりほんのわずかですが、ゲリラ的なフライトの代わりにハイキングとカヌーを漕ぐことで、この山脈の辺ぴな場所に立ち入る人もでてきました。この地域に長いこと魅了されていた私は、ファットバイクとパックラフティングを組み合わせて冒険をするという考えを温めてきました。調べたところ、この地域での旅の手段としてファットバイクを選んだ記録を見つけられなかったので、少なくともファットバイクで行ける、よりワイルドなルート(ゲリラフライトを除く)を探し始めたのです。どんな偉大なアラスカ旅行でも、パックラフトが必須アイテムとなることでしょう。それを旅の始めと終わりに用いて、素早くも危なっかしく乗り付け、その山脈の中心からキャデラックのようにスムーズに、100マイルの川旅をしたのでした。

私にとっての旅の計画はたいてい、アイデアがあり(ほとんどが酷い旅になると皆が口を揃える悪いものですが…)、Google Earthで「行けそうな」道を見つけ、願わくは景色からパワーをもらい、所要日数に関して現実的な打算をし、その地域を知っているか訪れたことのある友達や知り合いに連絡を取り、具体的な質問をすることを含みます。例えば「アッティガン渓谷でパックラフティングするのはどれくらい危ない?」、「危険な場所は陸で移動できる?」、などといった質問です。今回の調査では幸運にも、ブラッド・メイクルジョン、ネイサン・シャウティス、そしてアラスカの探検家ローマン・ダイアルが仲間となり、彼らの案内に大きな借りができました。近代的な地図ツールと、最も知識のある友人からの貴重な情報で武装し、ルートが確定したのです。

この探検ミッションのパートナーは、コロラド州デュランゴから来たジョン・ベイリーとブレット・デイビスでした。ジョンは素晴らしいアーティスト(Dead Reckoningのポスターで既に見たことがあるかもしれませんね)かつDurango Cycleryのプロメカニックであり、10年以上も私の冒険のパートナーです。彼は最高の男です。ブレットはフォートルイスカレッジでアウトドア研究プログラムの主任を努めており、豊富なカヌーの経験に加え、自然の中で求められるあらゆる技術を熟知しています。私たち3人は20時間以上も移動したあと、午前2時にフェアバンクスに到着し、結局、地元の習慣として、ホストと共にスコッチの瓶まるまる一本を空けてしまいました。

ホストのガレスが彼の新車のバンを陸移動に貸してくれた事を考えると私たちはテストに合格したようです。「陸移動」というのは、ドルトン・ハイウェイを北へ400マイルも運転するという意味です。そして「ハイウェイ」とは、アリエスカ・パイプラインを供給する、大型トラック向けの荒れたルートを指します。マッドマックスのアラスカ版を想像してください。この地ではトラックの運転手が一番であり、彼らを怒らせたり、邪魔をしたりする事は厳禁です。またどんな自動車の故障も起きて欲しくない、という印象をすぐに受けるのです。それに倣い、私たちも気を付けましたが、ガレスのバンを10日後に、850マイルも余計に走った上、窓ガラスを割り、ものすごい厚さの砂埃を洗車場で25セント硬貨で30ドル分も払って洗い落としてから返しました。

ここまでで、たいした情報も無く、ライドもいまいちの可能性があり、たちの悪い虫までいるような場所に行くのは大変なんだな、とあなたは思うことでしょう。そう考えることは極々自然な事ですが、ここから話はおかしくなっていくので、最後までお付き合いください。

-続く 

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