アイアンマン世界選手権への挑戦 第2回 PDCAを楽しく回す

2015/09/29

アイアンマン世界選手権への挑戦 第2回 PDCAを楽しく回す

2011年のアイアンマンレースにも出場したが、満足のいく結果が出せなかった。あれから4年、明らかにパワーアップはしたが、それ以上に強くなったものがあった。

やり残したこと

前回2011年のアイアンマンレースは満足のいく結果ではなかった。トライアスロン、ましてやロングのアイアンマンとなると、レースで、思ったような走りができるのかは、簡単ではないのだ。それまで、何戦も戦い、きついトレーニングを積んでいても、結果が出せない。ペース配分なのか、気候なのか、コースなのか、極度の緊張から過呼吸や原因不明の体調不良に見舞われる場合もある。様々なことに対応しながら、レースを組み立てていくことは、難しい。だから「経験」を積むしかないのだろう。「今までアイアンマンや宮古島を含めて11回ロングのレースに出ていますが、完全燃焼できたと思えたレースは4回だけです。何らかの理由によりランで崩れたため、たとえバイクまで良くてもレースそのものが不完全燃焼に終わるというものでした。前回2011年もランが4時間以上かかっており、今年のアイアンマンでは、何とか完全燃焼したいです。」 中々答えが出せない、出ないのが、トライアスロンであり、アイアンマンである。だからこそ、挑戦であり、魅力でもある。そして、答えを求めて、生涯スポーツとなるのだろう。

修正、改善、そして導入

今年、トレーニングで大幅に修正したのは、トレイルランニングを取り入れたことだった。「昨年初めて出た北丹沢12時間耐久トレイルレースで、トレイルランナーの強靭な足腰を目の当たりにし、自分の貧脚に打ちのめされました。5~6時間をある程度のスピードで走り続けるトレイルは、アイアンマンのランの脚力強化にうってつけと考えました。」 また、もともと専門のスイムも、一回に泳ぐ距離を伸ばしてみた。「今まで2km程度しか泳いでこなかったため、レースでは2km過ぎから、上腕三頭筋が痛くなり、ハイエルボーが保てない状況が続いていました。そのため、1km強のメインスイムを含めて3kmは泳ぐようにしたことにより、腕の筋持久力が付きました。」「バイクは、今まで通り、月2回程度のロングライドと、平日朝の70kmスピード練習の組み合わせをしています。」そして、今年からコンディショニングを重要視したことだ。「ストレッチはほぼ毎日20分程度行い、トレーニング後は疲労回復のためのサプリメント摂取、ランの後半に体が振れないように体感トレーニングも取入れ、競技能力向上のための時間を費やすようになりました。あと重要なのはトレーニング中も疲労困憊と感じたら、トレーニングを中止する勇気が必要です。この年になり根性だけでは速くも強くもなれないですよ。」

プロ選手と同じ、プロトタイプだった。

なんと、小松選手のバイクは、スペシャルなものだった。2011年にハワイアイアンマンにおいて、「世界同時発表」された新型SHIVを発表前に提供され、現地に乗り込んでいた。当然、使用しているのは、プロ選手ばかりで、Craig Alexander、Ben Hoffman、Rasmus Henningの3選手だけ。(他のプロが、SHIVTTが1台使用。)そして小松選手ということになる。プロトタイプとしているのは、ロゴも入っていない市販仕様ではないからだ。「2011年のアイアンマンゲットした時に、新型SHIVのプロトタイプを開発責任者から貰ったんですよ。非常に愛着あり、乗り心地の良いバイクなので、ずっと使用しています。」現在、4年目となり、来シーズンも継続が決定している完成度の高いトライアスロンバイクだ。バイクの仕様については、次号でご紹介したい。

楽しむこと

意外と自由に食事をしている。カロリー計算や食事の回数、栄養分析などストイックにやっているイメージがあった。しかし、話を聞いて見ると、「トレーニング中は食事、アルコールは全く気にしません。好物のラーメン二郎は週一食し、休肝日もないです。帰宅後はスナック類をバリバリ食べます。ただし、今、レースに向け、テーパー期間中なので、ラーメンとスナックは禁止、アルコールも缶ビール2缶までに抑えています。」 身体の栄養も大切だが、「心の栄養」は、十分なようだ。きついトレーニングをこなせるのも、「楽しみ」があるからだ。その選手にとって、セオリーが必ずしも当てはまるとは限らない。いかに、心身ともに、良い状態にするかだ。アイアンマン後の「ラーメン二郎」はきっと最高なのだろう。

3週間前(9/16から22)のトレーニング内容

SWIM

BIKE

RUN

内容

km

内容

km

内容

km

16

 

海老名運動公園スピード 4:28

8.4

17

 

 

 

 

18

100x12

1.2

 

 

19

宮ケ瀬 31.1km

86

 

 

20

 

御殿場⇔山中湖

45

ブリック 厚木 4:40

13.5

21

200X6

1.2

多摩川ペース 4:45

 23

22

 

 

大垂水・道志・宮ケ瀬 30.3km

 128

 

 

合計

 

 

2.4

 

259

 

44.9

アイアンマンレースまであと2週間となった。ここまでのトレーニングは、順調に仕上がっていると思う。「この企画があるからしっかりトレーニングしなきゃと最初は思っていたが、なんだかんだいって、この企画があろうがなかろうがしっからKONAに向けて調整していたのだろう。聖地へ向けてトライアスリートの血が騒ぐ。今はKONAに向けて万全の態勢で臨めるようしっかり体を整えるのみ。」と答える小松選手。否応なしに、興奮状態が高まる。

決戦の日まで、あと2週間!

【筆者紹介】:Triathlon GERONIMO 大塚修孝

トライアスロンジャーナリスト。トライアスロンの関わり25年。1996年から、アイアンマンを追い続けている。

関連記事:
アイアンマン世界選手権への挑戦 第1回 日本の代表として戦う(2015年9月24日)

2015/09/29

アイアンマン世界選手権への挑戦 第2回 PDCAを楽しく回す

2011年のアイアンマンレースにも出場したが、満足のいく結果が出せなかった。あれから4年、明らかにパワーアップはしたが、それ以上に強くなったものがあった。

アイアンマン世界選手権への挑戦 第2回 PDCAを楽しく回す

やり残したこと

前回2011年のアイアンマンレースは満足のいく結果ではなかった。トライアスロン、ましてやロングのアイアンマンとなると、レースで、思ったような走りができるのかは、簡単ではないのだ。それまで、何戦も戦い、きついトレーニングを積んでいても、結果が出せない。ペース配分なのか、気候なのか、コースなのか、極度の緊張から過呼吸や原因不明の体調不良に見舞われる場合もある。様々なことに対応しながら、レースを組み立てていくことは、難しい。だから「経験」を積むしかないのだろう。「今までアイアンマンや宮古島を含めて11回ロングのレースに出ていますが、完全燃焼できたと思えたレースは4回だけです。何らかの理由によりランで崩れたため、たとえバイクまで良くてもレースそのものが不完全燃焼に終わるというものでした。前回2011年もランが4時間以上かかっており、今年のアイアンマンでは、何とか完全燃焼したいです。」 中々答えが出せない、出ないのが、トライアスロンであり、アイアンマンである。だからこそ、挑戦であり、魅力でもある。そして、答えを求めて、生涯スポーツとなるのだろう。

修正、改善、そして導入

今年、トレーニングで大幅に修正したのは、トレイルランニングを取り入れたことだった。「昨年初めて出た北丹沢12時間耐久トレイルレースで、トレイルランナーの強靭な足腰を目の当たりにし、自分の貧脚に打ちのめされました。5~6時間をある程度のスピードで走り続けるトレイルは、アイアンマンのランの脚力強化にうってつけと考えました。」 また、もともと専門のスイムも、一回に泳ぐ距離を伸ばしてみた。「今まで2km程度しか泳いでこなかったため、レースでは2km過ぎから、上腕三頭筋が痛くなり、ハイエルボーが保てない状況が続いていました。そのため、1km強のメインスイムを含めて3kmは泳ぐようにしたことにより、腕の筋持久力が付きました。」「バイクは、今まで通り、月2回程度のロングライドと、平日朝の70kmスピード練習の組み合わせをしています。」そして、今年からコンディショニングを重要視したことだ。「ストレッチはほぼ毎日20分程度行い、トレーニング後は疲労回復のためのサプリメント摂取、ランの後半に体が振れないように体感トレーニングも取入れ、競技能力向上のための時間を費やすようになりました。あと重要なのはトレーニング中も疲労困憊と感じたら、トレーニングを中止する勇気が必要です。この年になり根性だけでは速くも強くもなれないですよ。」

プロ選手と同じ、プロトタイプだった。

なんと、小松選手のバイクは、スペシャルなものだった。2011年にハワイアイアンマンにおいて、「世界同時発表」された新型SHIVを発表前に提供され、現地に乗り込んでいた。当然、使用しているのは、プロ選手ばかりで、Craig Alexander、Ben Hoffman、Rasmus Henningの3選手だけ。(他のプロが、SHIVTTが1台使用。)そして小松選手ということになる。プロトタイプとしているのは、ロゴも入っていない市販仕様ではないからだ。「2011年のアイアンマンゲットした時に、新型SHIVのプロトタイプを開発責任者から貰ったんですよ。非常に愛着あり、乗り心地の良いバイクなので、ずっと使用しています。」現在、4年目となり、来シーズンも継続が決定している完成度の高いトライアスロンバイクだ。バイクの仕様については、次号でご紹介したい。

楽しむこと

意外と自由に食事をしている。カロリー計算や食事の回数、栄養分析などストイックにやっているイメージがあった。しかし、話を聞いて見ると、「トレーニング中は食事、アルコールは全く気にしません。好物のラーメン二郎は週一食し、休肝日もないです。帰宅後はスナック類をバリバリ食べます。ただし、今、レースに向け、テーパー期間中なので、ラーメンとスナックは禁止、アルコールも缶ビール2缶までに抑えています。」 身体の栄養も大切だが、「心の栄養」は、十分なようだ。きついトレーニングをこなせるのも、「楽しみ」があるからだ。その選手にとって、セオリーが必ずしも当てはまるとは限らない。いかに、心身ともに、良い状態にするかだ。アイアンマン後の「ラーメン二郎」はきっと最高なのだろう。

3週間前(9/16から22)のトレーニング内容

SWIM

BIKE

RUN

内容

km

内容

km

内容

km

16

 

海老名運動公園スピード 4:28

8.4

17

 

 

 

 

18

100x12

1.2

 

 

19

宮ケ瀬 31.1km

86

 

 

20

 

御殿場⇔山中湖

45

ブリック 厚木 4:40

13.5

21

200X6

1.2

多摩川ペース 4:45

 23

22

 

 

大垂水・道志・宮ケ瀬 30.3km

 128

 

 

合計

 

 

2.4

 

259

 

44.9

アイアンマンレースまであと2週間となった。ここまでのトレーニングは、順調に仕上がっていると思う。「この企画があるからしっかりトレーニングしなきゃと最初は思っていたが、なんだかんだいって、この企画があろうがなかろうがしっからKONAに向けて調整していたのだろう。聖地へ向けてトライアスリートの血が騒ぐ。今はKONAに向けて万全の態勢で臨めるようしっかり体を整えるのみ。」と答える小松選手。否応なしに、興奮状態が高まる。

決戦の日まで、あと2週間!

【筆者紹介】:Triathlon GERONIMO 大塚修孝

トライアスロンジャーナリスト。トライアスロンの関わり25年。1996年から、アイアンマンを追い続けている。

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