2019.11.22

最高に速い!!!新型Enduroに関するQ&A

新型Enduroは坂を駆け上がり、本来ならば恐ろしく感じるはずのスピードで、凄い荒れた下りを安心してぶっ飛ばせるバイク。新型EnduroのQ&Aをご紹介します。

新型Enduroは、登りの速さもさることながら、荒れに荒れたトレイルを恐ろしいほどのスピードで、しかも平然とかっ飛ばして下れます。そのデザインはDemoに影響を受け、トラベル量が旧モデルからさらに増えており、手に負えないセクションに突っ込んでもしっかりと操作できる全く新しいニューマシンの登場です。

最高に速い! 新型Enduroについて詳しく>

1.新型のEnduroをデザインした時の目標は?
もっと速いEnduroを作ること。つまりどんなシチュエーションでも速いEnduroを作ることでした。スペシャライズドが今回最も改善したかった点は、初期のストローク(振動吸収性能)、ボトムアウト抵抗(大きな衝撃の吸収性能)、ペダリング効率、ブレーキ時のライドキャラクター、フレーム剛性の味付け、そしてどんな荒れた路面でも勢いを失わない性能です。

2.何モデル発売されますか?
日本では3モデルが発売されます。S-Works完成車、Elite、Compモデルです。

※日本ではフレームセットは未展開となります。Elite、Compモデルの入荷時期は2019年12月頃を予定しております。入荷時期が前後する場合もございますので、予めご了承ください。

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S-Works Enduro


Enduro Elite


Enduro Comp

3.価格帯は?
税込価格で、Enduro Comp: 440,000円、Enduro Elite:532,400円、S-Works Enduro: 1,064,800円となります。

 

4.「荒れた路面で速く走るためには、バイクの勢いを殺さないことが鍵」とのことですが、どのようにそれを成し遂げたのでしょうか?
それはとても優先順位が高いことでした。角があるデコボコを乗り越えた時のひっかかりをなくすためには、大きく後輪軸の軌跡を変える必要がありました。それにより、初めの3分の1のストロークにおいて、後輪軸が後方へ動くようにしています。

5.なぜ後輪軸はすべてのトラベル域において「もっと後方」な軌跡を描かないのでしょうか?
後輪軸が後方への軌跡を描くと大きな岩や根っこをより簡単に乗り越えることができます。なので、後輪軸の軌跡を変化させることで、バイクがどれだけ勢いを保つことができるかを改善させることができます。ただ、「もっと後方」な後輪軸の軌跡と言った時に、多くの人達が、大きな障害物にヒットした時に、後輪が大きく後ろに動くことを想像するようです。ただ実際にそのような動きはどんなバイクでもしません。実際はすべての後輪軸の軌跡はサスペンションが縮むにしたがって、円弧を描きます。後輪軸は最初後方に動き、そのあと円弧を描きながら前方に動くのです。なので、我々がやろうとしていることは、サスペンションが縮むにしたがって、後輪軸がより後方に動く、言い換えるとあまり前方に動かないようにするということです。

下のグラフをご覧下さい。赤が新型Enduro29、青が旧型のEnduroです。赤の線、新しい後輪軸の軌跡は、後輪のサスペンショントラベルの鍵となるセクションにおいてより後方に動いています。これがなぜ重要かというと、これにより後輪の引っかかりを低減し、岩だらけのセクションでも勢いを殺さずスピードに乗って下れるからです。

6.実際どうやって後輪軸の軌跡を改善したのでしょうか?
Enduroのキネマティックをすべて変更する必要がありました。新しいメインピボットの場所が後輪軸の軌跡の改善に大きく貢献しています。

7.より後方に動く後輪軸の軌跡が、大きい角のあるデコボコをいなすのに有効なのであれば、なぜ後輪軸の軌跡をもっと後方よりにしなかったのでしょうか?
他の重要なライド特性を犠牲にしてまで、一つのライド特性を追求するのは理にかなっていません。開発のゴールはバランスの取れたライド特性を実現することです。例えば、後輪軸の軌跡をもっと後方に設計すると、サスペンションが縮む際に必要以上にチェーンが引っ張られ、それにより許容範囲以上のペダルキックバックが発生します。これはペダリング性能に影響します。また大きな衝撃を吸収する際に後輪軸の軌跡が後方すぎる場合、テクニカルな下りのセクションでジオメトリーが変化しすぎて(特にホイールベース)悪影響を及ぼします。

8.新しいEnduroは前モデルと比較して複雑にみえます。なぜたくさんのリンクがあるのでしょうか?
新型Demoでお目見えした、新しいサスペンションのレイアウトにより、いくつかの重要なポイントを改善しています。まずはじめに、ふたつ追加されたリンクはレバレッジカーブのチューニングに自由度をもたらします。これにより、新型デザインの目的である、「バイクの振動吸収性を良くし、ボトムアウト抵抗を改善する」ということを実現することができました。同じサスペンション特性を、旧型のサスペンションレイアウトで実現できたかというと、実現することはできました。しかし、それではスタンドオーバーの高さとバイクの重心がとても高くなってしまいます。つまり、正確に答えるとすれば、新型のデザインにより、サスペンションフィール改善のためのチューニングの自由度を広げ、それによりスタンドオーバーの高さを抑えながら、バイクの重心をさげることができた、ということです。これらすべての改善がトレイルでのコントロール性と扱いやすさにつながっています。

9.なぜ27.5インチのEnduroはラインナップにないのでしょうか?
新しいEnduroはスピードを追求するバイクとして開発されました。デコボコに引っかからず、結果表彰台に乗る選手のように勢いを殺さずに走れます。このようなバイクには29インチがぴったりです。27.5インチがダメというわけではありません。27.5インチが適切なバイクもあります。ただ今回のEnduroには29インチが合うということです。

10.前モデルのEnduroと比較して、ジオメトリーはどのように変わりましたか?
「リーチが長く、ヘッドアングルが寝ていて、BBが低い」という良く聞くフレーズになってしまいます。なので実際にジオメトリー表を比較してみてください。色々と変わっていますが、ヘッドアングルが寝ていて、リーチが長く、シートチューブが立ってるのがわかると思います。小さいですが、重要な変更としては、今回のEnduroはStyle-Specific Sizingで展開されるということです。つまりミディアムとラージで迷うのではなく、S3,S4,S5の中で選ぶということです。Style-Specific Sizingではほとんどのライダーが2つ以上のフレームサイズの中から選ぶことができます。とても低いスタンドオーバーの高さと長いドロッパーシートポストにより、バイクのライドフィールに合わせてサイズを選ぶことができるようになりました。つまり、リーチとホイールベースでサイズを選ぶことができるということです。これまでと違い、足の長さではなく、ライドスタイルでサイズを決められます。

11.なぜEnduroのアルミバージョンは発売されないのですか?
エンデューロのカテゴリの中で最高のバイクを作るのがゴールでした。そのゴールを成し遂げるためにはカーボンは理想の素材でした。新型Enduroではアルミは使いませんでしたが、スペシャライズドのラインナップの中で、必要に応じてアルミは今後も使い続けます。

12.S-Works Enduroと他のグレードのカーボンフレームの違いはなんですか?
端的に言うと、重量です。ライドフィール(フレームの剛性)はEnduroのどのモデルでも一緒です。SWorksのフレームはトップ、ミドル、ローリンクのすべてがカーボンになっています。これによりS-Worksのフレームは他のフレームと比較して、250グラム軽量となっています。

13.剛性バランスを最適化したとは、実際はどういうことでしょうか?新型のEnduroはフロントトライアングルの剛性が上がりましたか?それともリアトライアングルの剛性があがりましたか?それとも剛性を下げたのですか?

平均すると新型Enduroのリアエンドの剛性は前モデルのEnduroと比較して12%向上しました(29インチの新型と旧型のEnduroの比較)。フロントエンドの剛性は変わっていません。

14.新型Enduroではアンチスクワット値を向上させたとありますが、どのぐらいアンチスクワット値を向上させたのでしょうか?
一つの値を答えとして出すことはできません。なぜならアンチスクワット値はバイクのインスタントセンターの位置、チェーンの力のベクトル、重心などの様々な要素により算出されるからです。実際にはライダーの身長、チェーンリングのサイズ、カセットのどのコグを使っているかといったこともアンチスクワット値に影響を与えます。実際のところ、インスタントセンターも(シングリピボットのバイクでなければ)後輪がサスペンションにより動くにしたがって常に変わっていきます。そのため、あまり意味のないアンチスクワット値を出すよりも、ギアのコンビネーション、ホイールサイズ、ライダーの重量を定数とした場合、新型Enduroのアンチスクワット値は旧型Enduroと比較して、40%向上したとうたうことにしました。サスペンションのレイアウトを変更し、インスタントセンターの位置を動かしたことが、ペダリング効率の大きな向上に寄与しています。

※インスタントセンターとは?
メインピボットとホルストリンク(リアディレイラー近くのピボット)を結んだ線と、シートステイのピボットとシートチューブのピボットを結んだ線が交わる点のこと。リアが動くと、この仮想ピボット位置も移動します。リンク形状やピボット位置によって、この仮想ピボットの移動の仕方が変わり、それがペダルキックバック、ペダリング時の沈み込み抑制や、ブレーキ時の浮き上がり抑制に影響します。

15.新型Enduroのレバレッジカーブはどのように変化したのでしょうか?
端的にいうと、よりプログレッシブになりました。下記表のレバレッジレートのグラフをご覧ください。

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