中級者によるSPECIALIZED製品レビュー Vol.2 AIRNET

2015/12/07

中級者によるSPECIALIZED製品レビュー Vol.2 AIRNET

はたしてAirnetはPrevail、Evadeに続くスペシャライズド・ヘルメット第3の柱となるのか? ユーザー目線でその新しい魅力を探る。

前回のレビュー公開後、スペシャライズド・ジャパンの担当者から「もっと好きなように自由に書いてもらっていいですよ」とのありがたいお言葉を頂戴した。これは取りも直さずスペシャライズドから「もっとボケて!」とカンペを出されたということであろう(と勝手に解釈)。さすがロード世界選手権を連覇したメーカーは懐が深い。よって2回目はよりラフな感じでお届けします。お題はヘルメットの「Airnet(エアネット)」。

スペシャライズドのヘルメットといえば、多くの人が軽量で通気性の高いPrevailと、エアロ効果に優れたEvadeを思い浮かべるだろう。どちらもプロ、アマを問わずレースや街中でよく見かける2大巨“頭”(ヘルメットだけに!)だがしかし、その影に隠れたもうひとつのヘルメットAirnetはあまり知られていない。じつは筆者も今回のレビューで初めて知ったクチだが、コイツはなかなか侮れない逸品だった。


日本人なら「アジアンフィット」

と本題に入る前に、スペシャライズドのヘルメット全般について言及しておきたいことがある。彼らが約4000人もの日本人の頭型データを集め、開発したという「アジアンフィット」の素晴らしさについてだ。筆者は海外メーカーのヘルメットを着用する場合、まずまちがいなくLサイズになる。170cm弱の身長から考えるとMサイズでしかるべきなのだが、恥ずかしながら鉢が大きいうえに歪んでおり(上から見るとデキの悪いジャガイモみたいだ)Mサイズがすっぽりかぶれた例がない。KASK社のものなどはかぶるどころかジャガイモに添えられたバターのように、頭上にちょこんと乗せるだけで限界だ。どうやっても入らない。仕方なくLサイズをチョイスするが、これでは少々重くなるし見た目もナニだ。

だがその点スペシャライズドは違った。日本人の頭に合った「アジアンフィット」によって、筆者でもS/Mサイズがすっぽりとかぶれたのである! 一昨年Evadeを試着した際にはその感動から購入即決。結果、頭部が軽くなり見た目もコンパクトになった。もちろん現在も愛用中だ。頭が大きくて困っている方はぜひ一度「アジアンフィット」を試してもらいたい。解決する可能性が大いにあります。

Evade+S◯nthe=Airnet?


さて話をAirnetに戻すと、こちらも当然「アジアンフィット」を採用しており、同じようにS/Mサイズが着用できた(ただし内部の微妙な違いかEvadeよりややキツく感じたので、撮影時はあえてL/XLサイズを着用)。やはり自分の身長にあったサイズをかぶれるのは嬉しい。そしてながれるようなフォルムとシンプルな通風路からなる外観は、クールなサイクリストから支持を集める某社のヘルメットS◯ntheにも似ており、いい感じにスタイリッシュ。

どちらも風洞実験を経て生み出されたフォルムなはずで、ロードバイクギア最先端の2社が研究の果てに似た形状にたどり着いたというのは興味深い。もしやこの形が空力の最適解?などと愚考してしまうが、実際にスペシャライズドいわくAirnetのエアロ効果はEvadeに次いで高いそう。たしかに横から見比べると全体のフォルムはEvadeと似通っていて、その前後を短くした弟分のようにも見える。エアロ効果を速さで実感することは難しいが、このフォルムは実走でじゅうぶんにモチベーションを上げてくれた。“かぶ”るだけで“カヴ(マーク・カヴェンディッシュ)”になった気分である。

涼しさと美しさとかぶらなさと


それでいて通気性はEvadeを上回る。Evadeは整流を第一に考えているために必要最低限の通気穴しかなく、夏場はやや暑い。一方Airnetは前頭部から後頭部にかけて大きな通気口が設けられているので、ヘルメット内が蒸れにくく、最暑期でも快適に走れるだろう。今回試したのは11月なので涼しさは不要だったが、通気性の良さは実感できた。

さらに個人的に気に入ったのはカラーバリエーション。白黒だけでなくイエローやレッド&ブルーのバイカラーなどをそろえており、これならおしゃれに気を使うサイクリストでも満足のいくチョイスができる。なかでも写真のOak Green/Blackは上部がオリーブグリーン系になっており、このようなカラーのロードヘルメットはなかなか見ない。極力他人と“かぶり”たくない(ヘルメットだけに!)という人にもおすすめだ。

すなわちPrevailよりエアロに優れ、Evadeより通気性が高く、S◯nthを狙っている人にもアプローチする個性派ヘルメット、それがAirnetだった。
ただしそれでも弱点はあって、完全なるレース仕様ではないためL/XLサイズで実測330gとやや重めな仕上がり(Evadeは同サイズで実測310g)。製造工程の違いからか値段はそのぶんお安くなっているので、軽さが欲しいガチなレースでは前述の2大巨頭を使い、日々の練習ではセカンドヘルメットとしてAirnetを使う、というのが理想かもしれない。レースも視野に入っているけれどメインはポタリングやロングライド、というサイクリストならば完璧にニーズにマッチする。

もちろん安全性も問題なく日本のヘルメット安全規格にばっちり準拠。筆者のギャグようにスベっても、ブ厚い複合素材が大事な部分をしっかり保護してくれるのである。
と、ヘルメットだけに“かぶせ”てみましたが、どうですか?

Airnetの詳細ページはこちら > 

【筆者紹介】:成田ケンイチ
最近は完走すらままならないレースが多く、当レビューのタイトルを「初心者」に変えようか思案中のフリーライター。小学館自転車部所属。

関連記事:
中級者による製品レビュー Vol.1 S-Works 6 Road シューズ(2015年11月16日)

2015/12/07

中級者によるSPECIALIZED製品レビュー Vol.2 AIRNET

はたしてAirnetはPrevail、Evadeに続くスペシャライズド・ヘルメット第3の柱となるのか? ユーザー目線でその新しい魅力を探る。

中級者によるSPECIALIZED製品レビュー Vol.2 AIRNET

前回のレビュー公開後、スペシャライズド・ジャパンの担当者から「もっと好きなように自由に書いてもらっていいですよ」とのありがたいお言葉を頂戴した。これは取りも直さずスペシャライズドから「もっとボケて!」とカンペを出されたということであろう(と勝手に解釈)。さすがロード世界選手権を連覇したメーカーは懐が深い。よって2回目はよりラフな感じでお届けします。お題はヘルメットの「Airnet(エアネット)」。

スペシャライズドのヘルメットといえば、多くの人が軽量で通気性の高いPrevailと、エアロ効果に優れたEvadeを思い浮かべるだろう。どちらもプロ、アマを問わずレースや街中でよく見かける2大巨“頭”(ヘルメットだけに!)だがしかし、その影に隠れたもうひとつのヘルメットAirnetはあまり知られていない。じつは筆者も今回のレビューで初めて知ったクチだが、コイツはなかなか侮れない逸品だった。


日本人なら「アジアンフィット」

と本題に入る前に、スペシャライズドのヘルメット全般について言及しておきたいことがある。彼らが約4000人もの日本人の頭型データを集め、開発したという「アジアンフィット」の素晴らしさについてだ。筆者は海外メーカーのヘルメットを着用する場合、まずまちがいなくLサイズになる。170cm弱の身長から考えるとMサイズでしかるべきなのだが、恥ずかしながら鉢が大きいうえに歪んでおり(上から見るとデキの悪いジャガイモみたいだ)Mサイズがすっぽりかぶれた例がない。KASK社のものなどはかぶるどころかジャガイモに添えられたバターのように、頭上にちょこんと乗せるだけで限界だ。どうやっても入らない。仕方なくLサイズをチョイスするが、これでは少々重くなるし見た目もナニだ。

だがその点スペシャライズドは違った。日本人の頭に合った「アジアンフィット」によって、筆者でもS/Mサイズがすっぽりとかぶれたのである! 一昨年Evadeを試着した際にはその感動から購入即決。結果、頭部が軽くなり見た目もコンパクトになった。もちろん現在も愛用中だ。頭が大きくて困っている方はぜひ一度「アジアンフィット」を試してもらいたい。解決する可能性が大いにあります。

Evade+S◯nthe=Airnet?


さて話をAirnetに戻すと、こちらも当然「アジアンフィット」を採用しており、同じようにS/Mサイズが着用できた(ただし内部の微妙な違いかEvadeよりややキツく感じたので、撮影時はあえてL/XLサイズを着用)。やはり自分の身長にあったサイズをかぶれるのは嬉しい。そしてながれるようなフォルムとシンプルな通風路からなる外観は、クールなサイクリストから支持を集める某社のヘルメットS◯ntheにも似ており、いい感じにスタイリッシュ。

どちらも風洞実験を経て生み出されたフォルムなはずで、ロードバイクギア最先端の2社が研究の果てに似た形状にたどり着いたというのは興味深い。もしやこの形が空力の最適解?などと愚考してしまうが、実際にスペシャライズドいわくAirnetのエアロ効果はEvadeに次いで高いそう。たしかに横から見比べると全体のフォルムはEvadeと似通っていて、その前後を短くした弟分のようにも見える。エアロ効果を速さで実感することは難しいが、このフォルムは実走でじゅうぶんにモチベーションを上げてくれた。“かぶ”るだけで“カヴ(マーク・カヴェンディッシュ)”になった気分である。

涼しさと美しさとかぶらなさと


それでいて通気性はEvadeを上回る。Evadeは整流を第一に考えているために必要最低限の通気穴しかなく、夏場はやや暑い。一方Airnetは前頭部から後頭部にかけて大きな通気口が設けられているので、ヘルメット内が蒸れにくく、最暑期でも快適に走れるだろう。今回試したのは11月なので涼しさは不要だったが、通気性の良さは実感できた。

さらに個人的に気に入ったのはカラーバリエーション。白黒だけでなくイエローやレッド&ブルーのバイカラーなどをそろえており、これならおしゃれに気を使うサイクリストでも満足のいくチョイスができる。なかでも写真のOak Green/Blackは上部がオリーブグリーン系になっており、このようなカラーのロードヘルメットはなかなか見ない。極力他人と“かぶり”たくない(ヘルメットだけに!)という人にもおすすめだ。

すなわちPrevailよりエアロに優れ、Evadeより通気性が高く、S◯nthを狙っている人にもアプローチする個性派ヘルメット、それがAirnetだった。
ただしそれでも弱点はあって、完全なるレース仕様ではないためL/XLサイズで実測330gとやや重めな仕上がり(Evadeは同サイズで実測310g)。製造工程の違いからか値段はそのぶんお安くなっているので、軽さが欲しいガチなレースでは前述の2大巨頭を使い、日々の練習ではセカンドヘルメットとしてAirnetを使う、というのが理想かもしれない。レースも視野に入っているけれどメインはポタリングやロングライド、というサイクリストならば完璧にニーズにマッチする。

もちろん安全性も問題なく日本のヘルメット安全規格にばっちり準拠。筆者のギャグようにスベっても、ブ厚い複合素材が大事な部分をしっかり保護してくれるのである。
と、ヘルメットだけに“かぶせ”てみましたが、どうですか?

Airnetの詳細ページはこちら > 

【筆者紹介】:成田ケンイチ
最近は完走すらままならないレースが多く、当レビューのタイトルを「初心者」に変えようか思案中のフリーライター。小学館自転車部所属。

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