2021.12.24

Levo SL x 岡本圭司 ケガからの復活とLevo SLと始める新たな世界

パラスノーボード競技のトレーニングを続ける中、マウンテンバイクという新たな世界と出会いました。

脊髄損傷の大怪我を負いながらも懸命なリハビリで復活を遂げたプロスノーボーダーの岡本圭司さん。パラスノーボード競技のトレーニングを続ける中、マウンテンバイクという新たな世界と出会いました。

プロスノーボーダーで2022年の北京冬季パラリンピックのスノーボードクロスに向けてトレーニングを続ける岡本圭司さん。かねてより気になっていたというSpecialized Turbo Levo SLでトレイルを駆け回りました。岡本さんへのインタビューをもとに、プロスノーボーダー人生とLevo SLをどのように楽しんでいくかに迫ります。

岡本さんがスノーボードを始めたのは、高校を卒業した19歳。25歳くらいまでにプロになれないと辞めるという約束を父親と交わしていましたが、25歳の時にはビッグエアやスロープスタイルを中心に国際大会を回れるような実力に。その後、ドイツのブランドよりサポートを受けて、本格的にヨーロッパでの活動をスタートさせました。

それまでこだわっていた手の動きなどの「スタイル」ではなく、活動を通して「自分の生き方」を見せることができたらと思い始めたのが28歳の時。「楽しいことが好き」と昔から思っていたので、その目的さえあれば何でも頑張っていけると没頭し、プロ選手生活が軌道に乗っていきました。

しかし、そんなスノーボーダーとしての絶頂とも言える2015年、岡本さんが33歳の時に、映像作品撮影中に脊髄損傷の大怪我を負ってしまいます。

今までの人生の中で、最もイメージ通りに体を動かせるようなシンクロ状態を感じていた最中に起きた事故。ジャンプをしてターンした時、10mほどの崖に転落しました。瞬間的に右足が動かないことがすぐに分かり、岡本さんをとてつもない恐怖が襲いました。

「一番やりたくないケガをやってしまった。」

医者からも「言いにくいけど、一生車椅子生活になると思う。左足は運良く動くようになったとしても、杖を使ったり装具を使ったりしないと歩けるようにはならない」と告げられました。岡本さんにとってライフワークだったスノーボード。どうにかしてもう一度できないかとは考えましたが、モチベーションが湧いてくることはありませんでした。

そんな時、後輩のプロスノーボーダーが世界選手権のトロフィーと共にやって来ます。岡本さんが「人生、もう終わった」と弱音を吐く中、後輩が放った言葉が岡本さんを奮い立たせました。

「終わっていない。今までのトリックもカッコよかったけど、ケガを乗り越えてする1回目のターンは、今までのどのトリックよりもカッコいい。」

この言葉が1つのきっかけとなって、頑張らないといけないというモチベーションが生まれたのです。

「自分が“スノーボード上手い”=“イケてる”と思っていたがそうではなかった。体が弱くなった瞬間に心も弱くなったら、心が一から生まれ変わったと思って鍛え直そうと思った。」

家族、仲間、応援してくれる周囲のおかげでリハビリにも励めるようになっていきました。リハビリをやり始めたら早かったそうで、スノーボードの練習と同じく、立てるようになった、歩けるようになった、というように、できるようになることを繰り返していくうちに岡本さんの世界が広がっていきました。

「やっぱり体を動かすっていうのは人間として必要なんだなってその時に痛感した。」

できることを朝から晩まで繰り返していき、1年後に杖や装具なしで歩けるようになるまで回復。その後、スノーボードが滑れるようにもなりました。

しかし、思い通りに体を動かして滑っていたケガ前の感覚を思い出すと、ケガの前と後のギャップを感じていたのも事実。スノーボードを滑るかたわら、会社を始めたり、写真や映像を始めたり、DJをしたりと、何か自分にハマるもの、エキサイティングなものはないかを探していました。

その中で岡本さんが見つけたのが、パラリンピックのスノーボードクロス競技。スノーボードクロスの大会に出場した時に勝てず、「勝ちたい」と思ったことがきっかけで、スノーボードでもう一度高みを目指したいというモチベーションにつながっていったのです。

「(プロスノーボーダーの)ジェレミー・ジョーンズも、ケガをしてから、マウンテンバイクに乗っていた。」 岡本さんもスノーボードでは思うように滑れなくても、マウンテンバイクなら楽しく走れるのではないかと強く興味を持ちます。また、現在ではパラスノーボード競技のためにトレーニングも再開していますが、走ったり、長い距離を歩いたりするのは、麻痺の影響でできないため、医者にも自転車を勧められていました。

「楽しんで遊んでいると思ったら勝手に練習みたいになっているのがスノーボードの魅力。マウンテンバイクなら同じことができる。」

また岡本さんは、マウンテンバイクの楽しさは、スノーボードの「バックカントリー」に近いといいます。バックカントリーは、自分の足で山を登り、木々の中を縫うように滑り、非圧雪のパウダースノーを味わう。マウンテンバイクも山を登っていき、下りをご褒美のように楽しむことができるのが似ていると。

今回、初めて山の中のトレイルをLevo SLで楽しんだ岡本さん。スノーボードで磨いた体の使い方はLevo SLを乗るのにも大いに役立っているようで、初めてとは思えないほど、Levo SLを華麗に乗りこなしていました。超軽量とナチュラルなモーターアシストを兼ね備えたLevo SLは、岡本さんにさらなる自由を与えたよう。終始笑顔で楽しむその姿は、「新たな遊びを見つけた」という喜びに溢れていました。

「マウンテンバイクに乗るって聞いた時に、そもそもLevo SLのみたいに電動で登れるっていう発想自体がなかった。 麻痺が残る右足が弱いので自転車もすごく弱い力でしか漕げない。普通の自転車や電動アシスト付き自転車では無理。これに初めて乗ったときに“こんなに軽いの!”っていうあの軽さにびっくりしました。マジでやばかった。」

20度、30度あるような坂でも登っていけるLevo SLなら、自分の足でも大丈夫と確信した岡本さん。Levo SLさえあればどこでも行けると、楽しい想像を膨らませていました。

今後、岡本さんは、Levo SLをオフシーズンのトレーニングや遊びとして活用していきます。2022年の北京冬季パラリンピックに向けて転戦を続ける岡本さん。このライドのあと、オランダで行われたワールドカップ初戦で見事準優勝を飾りました。その挑戦とこれからの活動から目が離せません。

岡本圭司さんについてもっと詳しく
Pro Snowboarder 岡本圭司 Official Website

岡本さんが乗るLevo SLについてもっと詳しく
e-MTB Turbo Levo SL(ターボ リーヴォ エスエル)デビュー


カテゴリ
キーワード