2015.12.14

トライアスロンシーズン開幕間近!乗るべきバイク、使うべき機材 第1回 バイク編

トライアスロンシーズン幕明け近し!バイクや用品の選び方を戦うディスタンスの違う2人に聞きました。ロードとトライアスロンバイク、あなたはどっち派?

今回のトライアスロン特集は、バイクや用品の選び方について、それぞれ立場、取組方法など、環境の違う二人のトライアスリートに聞いてみた。初心者はもちろん、玄人レーサーも必見です。

ロードバイクとトライアスロンバイク、それぞれの狙い・違い

第1回目は、 バイク編として、ロードバイクとトライアスロンバイクについて、それぞれに求める性能、そして、どのように使い分けているのかなどリアルな話を聞くことが出来た。

エアロヘルメット?ロードヘルメット?第2回はヘルメットについて >
トライアスロン専用?それともロード兼用?第3回はシューズについて > 

インタビューを受けてくれたのはこちらの2人。

小松亮 氏 (写真左):
ロング系トライアスリート。フルタイムワーカーとして、家庭とトレーニングのバランス重視。2011年、2015年アイアンマン世界選手権出場。当ブログでも、彼の活躍を追っている。

浅海健太 氏(写真右):
ショート系トライアスリート。学生で競技志向が強く、今しかできないこととして徹底注力。2014年学生選手権優勝

まず、ロードバイクとトライアスロンバイクはどのように違うのだろうか。外観上はかなり違って見えるが、それぞれ、設計上のメリットなど違うはずだ。トライアスリートはどのようにバイクを選んでいるのだろうか。

ロードバイクは、軽く造られ、速度の加減速を繰り返す走りに対応する。また、テクニカルな連続コーナーやアップダウンにも対応し易い。一方トライアスロンバイクは、高速巡航性の向上を狙い「エアロダイナミクス」や「快適性」が優れている。特に「エアロダイナミクス」においては、各社しのぎを削っている。スペシャライズドでは、多くのエアロダイナミクス研究者と風洞実験施設「WIN TUNNEL」を持ち、そのアドバンテージの高いメーカーでもある。

アイアンマンディスタンスを狙うなら......

「ロードはとにかく楽しいですね。乗り易いということだと思います。アイアンマンでは、もちろんトライアスロンバイクのShivに乗っていますが、楽しいとは言えません。言い方を変えればロードは気軽に乗れるということかもしれません」と小松氏。意外な答えが返ってきたのだ。アイアンマンの世界選手権を2回も出場経験のある小松氏は、ロードバイク派なのか。三種目の中でも「バイクが得意」とする小松氏だ。

SHIVをオンラインストアでチェック

「もちろん、レースならトライアスロンバイクですよ。今年のアイアンマン世界選手権の出場権を獲得したアイアンマンジャパンでお話をしますと、ジャパンはアイアンマンレースとしては、比較的アップダウンが多いコースですが、そのアップダウンではロードバイクを使った方が速いかもしれません。ですが、その『差』は大きくないと思っています。それよりもフラットコースでの速さは、圧倒的にトライアスロンバイクが強いと考えています。」

なるほど、「楽しいロードバイク」「速いトライアスロンバイク」という感じだろうか。実際には、シーズン前のトレーニングは、ロードバイクで始めると言う。そして、レース2ヵ月前から「トライアスロンバイク」にシフトし、調整を始めるそうだ。小松氏の使用するバイクは、TarmacRoubaixなどロードバイクで乗り始め、本戦に向けトライアスロンバイクに乗り換えている。

ショートディスタンスなら......

一方、学生チャンピオン経験者は、またシビアな感性に興味が高まった。

「トレーニングよりもレース(コース)のためのバイクをチョイスします。オリンピックディスタンスというショートのレースをメインとしているので、コーナーリング、ブレーキング、そして、加速性などを重視しています」と浅海氏。日本選手権など周回コースのレースでは、30回のコーナーリングを集団の中でこなさなければいけない。その「テクニック」を支えてくれるバイクの性能、機能が必要となるということだろう。

「日本選手権であれば、とにかくコーナーが重要となります。まずは、コーナーギリギリまでブレーキを掛けません。まさに『チキンレース』のようです。そして、私の場合は、フロントブレーキを重視しますので、フロントブレーキの効き、もちろん、どのようなタイプのブレーキなのかを気にしています。コーナーの中では、当然倒し易いバイクが良いです。そして、コーナーを抜けた立ち上がりでは、加速性が求められるため、ダンシングのし易さを重要視していますね。」

コーナーが「命」となる周回コースで求められるバイクは、当然ロードバイクとなる。そう、距離ではなく、コースなのだ。極端に言えばオリンピックディスタンスやその半分のスプリントでも、仮にフラットで直線コース、折り返し一回などというコースであればトライアスロンバイクが優位になるのは間違いない。そんな浅海氏の使用するバイクは、VengeTarmacなどロードバイクがメインだ。

乗るバイクが自身のからだにフィットしているか

両者とも口を揃えて言っていたことが、フィッティングだった。スペシャライズドの「ボディジオメトリーフィット」で、ポジションを決めることは、まずやるべきことだと。バイクに身体を合わせるのではない。身体にバイクを合わせるのだ。バイクに乗ることは簡単だ。ただ乗れば良いというわけではない。そこには何かしらの「根拠」や「仮説」が存在しなければいけない。

やはりバイクに乗ることは難しいのか。いや、ショップやメーカーがそれをわかりやすく提案してくれているかどうかなのだろう。

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【筆者紹介】:Triathlon GERONIMO 大塚修孝
トライアスロンジャーナリスト。トライアスロンの関わり25年。1996年から、アイアンマンを追い続けている。

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