TEAM TARMAC Vol.3 S-WORKS TARMACにベストマッチなホイール&タイヤは何か、脚質や目標を踏まえて考える。

2017/11/02

TEAM TARMAC Vol.3 S-WORKS TARMACにベストマッチなホイール&タイヤは何か、脚質や目標を踏まえて考える。

「ツール・ド・おきなわ」における勝利を目指すTEAM TARMACのメンバー。「S-WORKS TARMAC」とどのホイールとタイヤを組み合わせるかが問題だ。

前回までの記事はこちら
これなら勝てる!? TEAM TARMACメンバーは新しいS-WORKS TARMACをどう評価しているのか? Vol.2をよむ>
「ツールドおきなわ」で勝利を目指す。TEAM TARMAC見参! 私たちは何を目指し、何を得ようとしているのか?Vol.1をよむ>

11月に開催される「ツール・ド・おきなわ」市民210kmクラスにチャレンジする「TEAM TARMAC(チーム・ターマック)」。主要メンバーである新井/安藤/佐藤の3名が乗るはのS-WORKS TARMACですが、ホイールとタイヤについては、各人なりの考えがあるようです。

佐藤 「3人とも、スペシャライズドのCLXというカーボンホイールを使用していますが、選択したリムハイトや、組み合わせるタイヤなどについては違いがありますね。それぞれの考えについて話す前に、ちょっとホイールとタイヤについておさらいさせてください」

ーCLXには3種類のリムハイトがありますね。32、50、64と。

佐藤 「そうなんです。32は超軽量モデルで、ヒクルライム等での飛び道具のように思われている方が多いかもしれませんね。50はエアロ性能と軽さ、そして運動性をバランス良く兼ね備えた、中庸というかスタンダードなモデル。そして64はTTやトライアスロンのためのホイールといった理解でしょう」
ROVAL CLX 32、50、64ホイールをチェックする>

ー3種類ありますけど、いずれも「CLX」と名乗ってシリーズを構成していますし、共通点があるわけですか?

佐藤 「32/50/64のいずれにも共通しているのが、ワイドリムだということですね。ワイド化には、エアロ性能と剛性を高める他に、タイヤの断面形状を変えるという意味があります。従来、リムに装着したタイヤの断面は風船のような形をしていました。それが、リムをワイド化することによって、かまぼこのような形状になるんです。そして、空気抵抗が低減します。加えて、タイヤ接地面の形状も変わります。従来は長方形だった接地面が、ワイド化によって正方形に近くなるんです」

ー接地面が正方形に近くなる……ということは?

佐藤 「進行方向に対しては抵抗が少なくなります。一方、横方向のグリップはしっかり確保されるんです」

ーなるほど。リムのワイド化にはさまざまな恩恵があるんですね。

佐藤 「タイヤのコンパウンドやケーシングも関係する話ですから、必ずしも一概に言えることではないですけどね。乗り手としては、ホイールだけ、タイヤだけではなく、1台のバイクとしてトータルで考えたいところです」

得意分野を踏まえ「生き残る」ために考えた佐藤のセレクト

ーではその流れで伺いますが、「ツール・ド・おきなわ」市民210kmクラスに向けて、佐藤さんはタイヤとホイールをどう選択されるつもりですか?

佐藤 「タイヤもリムも、スペシャライズドの現行のものは全部試してみました。今のところ、ホイールはCLX50クリンチャー、タイヤはTURBO COTTONの26Cが納得のいくセットアップ。ただ、タイヤは24Cで行こうかと考えています。私は、低いケイデンスと高いトルクで平地を得意とするタイプなんです。上りは苦手。その苦手を克服するのも一案ですが、それよりも活きるところを重視したいと思いました。以前に市民140kmを完走したときにはCLX64を使ったのですが、メイン集団から千切れて小集団やひとり旅になったら、リムハイトが高いほうがラク。とくに海岸線で風がある状況では有利ですね。ただ、64と50なら、50のほうが上りがラクだし、ダンシングで振った感じも良いです」
TURBO COTTONタイヤをチェックする>

ーなるほど、そういうシチュエーションまで考慮しているわけですね。脚質と「生き残る」という目標設定に忠実なわけだ。タイヤについても教えてください。

佐藤 「タイヤは、コットンケーシングのTURBO COTTONにするか、ナイロンケーシングのS-WORKS TURBOにするか。TURBO COTTONは、ポリ混紡のコットン素材によるしなやかさが魅力です。一方、S-WORKS TURBOは繊維の目が粗く、ゴムがしみこんでいるぶん、低圧でも形状を維持しやすい特徴があります。ワイドリムに装着して比較的低圧にして乗ると、しなやかでクッション性も高いけど形状保持もできるという、絶妙なバランスになります」
S-WORKS TURBOタイヤをチェックする>

ーそんな特性を踏まえて、佐藤さんの選択は?

佐藤 「平地でバイクを振って進むタイプなので、タイヤの変形量はある(変形させる乗り方をしている)。ダンシングのときの軽さを求めたい。そういったことも加味すると、TURBO COTTONの24Cかなと。CLX50の慣性モーメントと、24Cのタイヤ接地面、これで210kmを生き残りたいと思っています」
 

ーえーっと、CLX50+TURBO COTTONの組み合わせで、タイヤが24Cのときと26Cとでは……?

佐藤 「同じ幅のリムで、同じ空気圧の場合、24Cのほうがコンタクトパッチ(接地面形状)は縦長になりますが、26Cと大幅に接地感は変わらないでしょう。でも、ダンシングでバイクを横に振った際に、軽快感がより強く感じれらるので、24Cというわけです。もちろん脚質を考慮しつつ。結局はスペックではなく、タイヤ全体のパフォーマンスというか、官能性能が大事ですね」

ーなるほど。バイクを振ることを考えて、あえて24Cなわけですね。

チューブラー派・安藤の「終盤まで足を残したい」セレクト

ー続いて、安藤さんのホイールとタイヤについて伺いましょう。

安藤 「ホイールは、CLX32と50のチューブラーを使っています。タイヤは、スペシャライズドではありません。他ブランドの25Cを使っています(ヴィットリア・コルサ 25C)。タイヤには、すごく個人的なこだわりがあって……」

ーえ?なんです?

安藤 「スキンサイドじゃないと、嫌なんですよね〜 見た目が」

佐藤 「無いですね、スペシャライズドには(笑)」

ースキンサイドのチューブラーが、スペシャライズドのラインナップに無いわけか。
(注記:28cのS-Works Turbo Hell Of The North Tubular というモデルはある)

安藤 「チューブラーのTURBO COTTON(24、26)をぜひ作ってください(笑) で、リム幅が広くなっているので、23mmよりは25mmが良いかなと思っています。スペシャライズドのチューブラータイヤだと24mmか26mm、一般的には23mmにするか25mmにするかといったところですよね。よりクッション性があって接地感も十分な25mmを選択しました。25mmは23mmよりも若干重たくはなるんですけど、最近はどのメーカーのタイヤでも、ワンサイズ太くなったからといって走りが重たいということはないので、その点は良いですよね」

ーホイールはCLX32と50ということでしたが、どちらかに決めかねている?

安藤 「CLX32と50とで、重量はそれほど変わらないんです。両方を比べると、32のほうがより加速すると感じます。50は、32と比べてしまうとちょっと加速が鈍いという印象です。ただ、市民210kmは長い距離のレースですから、空力と巡航性能も加味して、終盤まで足を残すことに重点を置くことになるんじゃないかなと……そういう意味では、レース本番ではCLX50を使うと思います」
ROVAL CLX 32、50、64ホイールをチェックする>

キャプテン新井は巡行性能と「勝負どころ」を意識

ー続いて新井さんに伺いましょう。新型S-WORKS TARMACの完成車にも採用されているCLX32を、もともと使っていたそうで。

新井 「CLX32とS-WORKS TURBO 24C(クリンチャー)の組み合わせで使っていました。CLX32が出たとき、リム幅が太くなったことでタイヤの変形量も変わり、24Cでも従来の26C相当になるので、であれば(S-WORKS TURBOの)24C以上は要らないと感じました。でも、今回のバイクは完成車がベースで、S-WORKS TURBO 26Cが標準で付いていたんです。そこで、初めて26Cをちゃんと使いました。タイヤの重量差は(24Cに対して)20gしかありませんし、乗ってみても26Cのほうが速いかなぁ……という印象があって、そこからしばらくは26Cを使っていますね」
S-WORKS TURBOタイヤをチェックする>

ーおきなわに向けて、どのような選択になりそうでしょうか。

新井 「距離が長いので、転がり抵抗が小さくて実際にもよく進むと感じる26Cは魅力ですね。下りのコーナリングでは24Cのほうがやりやすいと感じたんですけど、26Cでもだいぶ慣れてきました。巡行速度は26Cのほうが高くなるので、タイヤは26Cで行こうかな。ホイールは、50か32か迷うところです。勝負がかかるのが上りなので、上りでラクできる32をセレクトするか。ただ、ニセコクラシック(グランフォンドレース)で50を使ったら、やっぱりよく進むんですよね。上りもそれほど重たくなくて、50も好印象。だから、ちょっと迷っています」
ROVAL CLX 32、50、64ホイールをチェックする>

ー新井さんはツール・ド・おきなわの参戦経験が豊富なので、当然、雨のレースも走っていますよね。雨だったら選択は変わりますか?

新井 「タイヤは、雨が降ったら24Cにしようかな。(ワイドリムと)26Cによって路面抵抗が減る分、雨の日はグリップが落ちるので。ホイールは、雨でも変えることはありません」

ー安藤さんはどうです?

安藤 「チューブラーなので、タイヤは貼った状態で持っていきますし、用意している条件の中で対処するしかないですよね。空気圧を下げて接地面を稼ぐとか、気をつけて走るとか。もちろん、できればスペアは持っていきたいですけどね」

―というわけで、ホイールとタイヤの選択だけでも話が尽きないTEAM TARMAC。ツール・ド・おきなわ 市民210kmの本番ではどういう選択をし、どういう結果になったのかは、レース後にぜひ振り返りたいと思います。

(まだまだ、つづく)

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【TEAM TARMAC 主要メンバーの紹介】
新井康文(BIKE SHOP FORZA)
「BIKE SHOP FORZA」(茨城県つくば市)の店長にして、日本でいちばんS-WORKSを売った実績をもつ男。「ツール・ド・おきなわ」への参戦経験も豊富で、TEAM TARMACではキャプテンを務める。2016年のツール・ド・おきなわ 市民210kmクラスを16位で完走。32歳。


安藤光平(Bicicletta SHIDO)
「Bicicletta SHIDO」(東京都狛江市)の店長。実業団チーム「FIETS GROEN日本ロボティクス」に所属するJプロツアー参戦ライダーという顔も持つ。2015年のツール・ド・おきなわ 市民210kmクラスを106位で完走。シクロクロスも国内最高峰のJCXシリーズで走る。32歳。


佐藤修平(スペシャライズド・ジャパン)
スペシャライズドが提供する製品やサービスについて販売店やエンドユーザーへと伝える「SBCU」(スペシャライズド大学)のマネジャー。日本のトップ市民レーサーに憧れ、3年前に「ツール・ド・おきなわ」市民140kmを完走。とはいえロードレースはまだまだ未知の領域。43歳。

【筆者紹介】:須貝弦
万年ビギナー状態と言い続けて20年、それでも自転車で地元の里山をめぐることを心のヨリドコロとするフリーライター。年に1度だけ、レースにも出ます。

関連記事:
大人の部活『TEAM TARMAC』、いよいよチームメンバーを募集!(2017年10月26日)
大人の部活『TEAM TARMAC』、主要メンバーはこの5名だ!(2017年10月31日)

2017/11/02

TEAM TARMAC Vol.3 S-WORKS TARMACにベストマッチなホイール&タイヤは何か、脚質や目標を踏まえて考える。

「ツール・ド・おきなわ」における勝利を目指すTEAM TARMACのメンバー。「S-WORKS TARMAC」とどのホイールとタイヤを組み合わせるかが問題だ。

TEAM TARMAC Vol.3 S-WORKS TARMACにベストマッチなホイール&タイヤは何か、脚質や目標を踏まえて考える。

前回までの記事はこちら
これなら勝てる!? TEAM TARMACメンバーは新しいS-WORKS TARMACをどう評価しているのか? Vol.2をよむ>
「ツールドおきなわ」で勝利を目指す。TEAM TARMAC見参! 私たちは何を目指し、何を得ようとしているのか?Vol.1をよむ>

11月に開催される「ツール・ド・おきなわ」市民210kmクラスにチャレンジする「TEAM TARMAC(チーム・ターマック)」。主要メンバーである新井/安藤/佐藤の3名が乗るはのS-WORKS TARMACですが、ホイールとタイヤについては、各人なりの考えがあるようです。

佐藤 「3人とも、スペシャライズドのCLXというカーボンホイールを使用していますが、選択したリムハイトや、組み合わせるタイヤなどについては違いがありますね。それぞれの考えについて話す前に、ちょっとホイールとタイヤについておさらいさせてください」

ーCLXには3種類のリムハイトがありますね。32、50、64と。

佐藤 「そうなんです。32は超軽量モデルで、ヒクルライム等での飛び道具のように思われている方が多いかもしれませんね。50はエアロ性能と軽さ、そして運動性をバランス良く兼ね備えた、中庸というかスタンダードなモデル。そして64はTTやトライアスロンのためのホイールといった理解でしょう」
ROVAL CLX 32、50、64ホイールをチェックする>

ー3種類ありますけど、いずれも「CLX」と名乗ってシリーズを構成していますし、共通点があるわけですか?

佐藤 「32/50/64のいずれにも共通しているのが、ワイドリムだということですね。ワイド化には、エアロ性能と剛性を高める他に、タイヤの断面形状を変えるという意味があります。従来、リムに装着したタイヤの断面は風船のような形をしていました。それが、リムをワイド化することによって、かまぼこのような形状になるんです。そして、空気抵抗が低減します。加えて、タイヤ接地面の形状も変わります。従来は長方形だった接地面が、ワイド化によって正方形に近くなるんです」

ー接地面が正方形に近くなる……ということは?

佐藤 「進行方向に対しては抵抗が少なくなります。一方、横方向のグリップはしっかり確保されるんです」

ーなるほど。リムのワイド化にはさまざまな恩恵があるんですね。

佐藤 「タイヤのコンパウンドやケーシングも関係する話ですから、必ずしも一概に言えることではないですけどね。乗り手としては、ホイールだけ、タイヤだけではなく、1台のバイクとしてトータルで考えたいところです」

得意分野を踏まえ「生き残る」ために考えた佐藤のセレクト

ーではその流れで伺いますが、「ツール・ド・おきなわ」市民210kmクラスに向けて、佐藤さんはタイヤとホイールをどう選択されるつもりですか?

佐藤 「タイヤもリムも、スペシャライズドの現行のものは全部試してみました。今のところ、ホイールはCLX50クリンチャー、タイヤはTURBO COTTONの26Cが納得のいくセットアップ。ただ、タイヤは24Cで行こうかと考えています。私は、低いケイデンスと高いトルクで平地を得意とするタイプなんです。上りは苦手。その苦手を克服するのも一案ですが、それよりも活きるところを重視したいと思いました。以前に市民140kmを完走したときにはCLX64を使ったのですが、メイン集団から千切れて小集団やひとり旅になったら、リムハイトが高いほうがラク。とくに海岸線で風がある状況では有利ですね。ただ、64と50なら、50のほうが上りがラクだし、ダンシングで振った感じも良いです」
TURBO COTTONタイヤをチェックする>

ーなるほど、そういうシチュエーションまで考慮しているわけですね。脚質と「生き残る」という目標設定に忠実なわけだ。タイヤについても教えてください。

佐藤 「タイヤは、コットンケーシングのTURBO COTTONにするか、ナイロンケーシングのS-WORKS TURBOにするか。TURBO COTTONは、ポリ混紡のコットン素材によるしなやかさが魅力です。一方、S-WORKS TURBOは繊維の目が粗く、ゴムがしみこんでいるぶん、低圧でも形状を維持しやすい特徴があります。ワイドリムに装着して比較的低圧にして乗ると、しなやかでクッション性も高いけど形状保持もできるという、絶妙なバランスになります」
S-WORKS TURBOタイヤをチェックする>

ーそんな特性を踏まえて、佐藤さんの選択は?

佐藤 「平地でバイクを振って進むタイプなので、タイヤの変形量はある(変形させる乗り方をしている)。ダンシングのときの軽さを求めたい。そういったことも加味すると、TURBO COTTONの24Cかなと。CLX50の慣性モーメントと、24Cのタイヤ接地面、これで210kmを生き残りたいと思っています」
 

ーえーっと、CLX50+TURBO COTTONの組み合わせで、タイヤが24Cのときと26Cとでは……?

佐藤 「同じ幅のリムで、同じ空気圧の場合、24Cのほうがコンタクトパッチ(接地面形状)は縦長になりますが、26Cと大幅に接地感は変わらないでしょう。でも、ダンシングでバイクを横に振った際に、軽快感がより強く感じれらるので、24Cというわけです。もちろん脚質を考慮しつつ。結局はスペックではなく、タイヤ全体のパフォーマンスというか、官能性能が大事ですね」

ーなるほど。バイクを振ることを考えて、あえて24Cなわけですね。

チューブラー派・安藤の「終盤まで足を残したい」セレクト

ー続いて、安藤さんのホイールとタイヤについて伺いましょう。

安藤 「ホイールは、CLX32と50のチューブラーを使っています。タイヤは、スペシャライズドではありません。他ブランドの25Cを使っています(ヴィットリア・コルサ 25C)。タイヤには、すごく個人的なこだわりがあって……」

ーえ?なんです?

安藤 「スキンサイドじゃないと、嫌なんですよね〜 見た目が」

佐藤 「無いですね、スペシャライズドには(笑)」

ースキンサイドのチューブラーが、スペシャライズドのラインナップに無いわけか。
(注記:28cのS-Works Turbo Hell Of The North Tubular というモデルはある)

安藤 「チューブラーのTURBO COTTON(24、26)をぜひ作ってください(笑) で、リム幅が広くなっているので、23mmよりは25mmが良いかなと思っています。スペシャライズドのチューブラータイヤだと24mmか26mm、一般的には23mmにするか25mmにするかといったところですよね。よりクッション性があって接地感も十分な25mmを選択しました。25mmは23mmよりも若干重たくはなるんですけど、最近はどのメーカーのタイヤでも、ワンサイズ太くなったからといって走りが重たいということはないので、その点は良いですよね」

ーホイールはCLX32と50ということでしたが、どちらかに決めかねている?

安藤 「CLX32と50とで、重量はそれほど変わらないんです。両方を比べると、32のほうがより加速すると感じます。50は、32と比べてしまうとちょっと加速が鈍いという印象です。ただ、市民210kmは長い距離のレースですから、空力と巡航性能も加味して、終盤まで足を残すことに重点を置くことになるんじゃないかなと……そういう意味では、レース本番ではCLX50を使うと思います」
ROVAL CLX 32、50、64ホイールをチェックする>

キャプテン新井は巡行性能と「勝負どころ」を意識

ー続いて新井さんに伺いましょう。新型S-WORKS TARMACの完成車にも採用されているCLX32を、もともと使っていたそうで。

新井 「CLX32とS-WORKS TURBO 24C(クリンチャー)の組み合わせで使っていました。CLX32が出たとき、リム幅が太くなったことでタイヤの変形量も変わり、24Cでも従来の26C相当になるので、であれば(S-WORKS TURBOの)24C以上は要らないと感じました。でも、今回のバイクは完成車がベースで、S-WORKS TURBO 26Cが標準で付いていたんです。そこで、初めて26Cをちゃんと使いました。タイヤの重量差は(24Cに対して)20gしかありませんし、乗ってみても26Cのほうが速いかなぁ……という印象があって、そこからしばらくは26Cを使っていますね」
S-WORKS TURBOタイヤをチェックする>

ーおきなわに向けて、どのような選択になりそうでしょうか。

新井 「距離が長いので、転がり抵抗が小さくて実際にもよく進むと感じる26Cは魅力ですね。下りのコーナリングでは24Cのほうがやりやすいと感じたんですけど、26Cでもだいぶ慣れてきました。巡行速度は26Cのほうが高くなるので、タイヤは26Cで行こうかな。ホイールは、50か32か迷うところです。勝負がかかるのが上りなので、上りでラクできる32をセレクトするか。ただ、ニセコクラシック(グランフォンドレース)で50を使ったら、やっぱりよく進むんですよね。上りもそれほど重たくなくて、50も好印象。だから、ちょっと迷っています」
ROVAL CLX 32、50、64ホイールをチェックする>

ー新井さんはツール・ド・おきなわの参戦経験が豊富なので、当然、雨のレースも走っていますよね。雨だったら選択は変わりますか?

新井 「タイヤは、雨が降ったら24Cにしようかな。(ワイドリムと)26Cによって路面抵抗が減る分、雨の日はグリップが落ちるので。ホイールは、雨でも変えることはありません」

ー安藤さんはどうです?

安藤 「チューブラーなので、タイヤは貼った状態で持っていきますし、用意している条件の中で対処するしかないですよね。空気圧を下げて接地面を稼ぐとか、気をつけて走るとか。もちろん、できればスペアは持っていきたいですけどね」

―というわけで、ホイールとタイヤの選択だけでも話が尽きないTEAM TARMAC。ツール・ド・おきなわ 市民210kmの本番ではどういう選択をし、どういう結果になったのかは、レース後にぜひ振り返りたいと思います。

(まだまだ、つづく)

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前回までの記事はこちら
これなら勝てる!? TEAM TARMACメンバーは新しいS-WORKS TARMACをどう評価しているのか? Vol.2をよむ>
「ツールドおきなわ」で勝利を目指す。TEAM TARMAC見参! 私たちは何を目指し、何を得ようとしているのか?Vol.1をよむ>

【TEAM TARMAC 主要メンバーの紹介】
新井康文(BIKE SHOP FORZA)
「BIKE SHOP FORZA」(茨城県つくば市)の店長にして、日本でいちばんS-WORKSを売った実績をもつ男。「ツール・ド・おきなわ」への参戦経験も豊富で、TEAM TARMACではキャプテンを務める。2016年のツール・ド・おきなわ 市民210kmクラスを16位で完走。32歳。


安藤光平(Bicicletta SHIDO)
「Bicicletta SHIDO」(東京都狛江市)の店長。実業団チーム「FIETS GROEN日本ロボティクス」に所属するJプロツアー参戦ライダーという顔も持つ。2015年のツール・ド・おきなわ 市民210kmクラスを106位で完走。シクロクロスも国内最高峰のJCXシリーズで走る。32歳。


佐藤修平(スペシャライズド・ジャパン)
スペシャライズドが提供する製品やサービスについて販売店やエンドユーザーへと伝える「SBCU」(スペシャライズド大学)のマネジャー。日本のトップ市民レーサーに憧れ、3年前に「ツール・ド・おきなわ」市民140kmを完走。とはいえロードレースはまだまだ未知の領域。43歳。

【筆者紹介】:須貝弦
万年ビギナー状態と言い続けて20年、それでも自転車で地元の里山をめぐることを心のヨリドコロとするフリーライター。年に1度だけ、レースにも出ます。

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