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スペシャライズド社員による「ツール・ド・おきなわ」チャレンジ 2019 SBCU先生レースレポート

2019/12/10

スペシャライズド社員による「ツール・ド・おきなわ」チャレンジ 2019 SBCU先生レースレポート

SBCU先生のヘタのヨコ好きチャレンジももう6回目。今年もやってきましたツール・ド・おきなわ。

レース週の水曜はランチライド・夜にジムで水泳。サウナへ行き、暑熱馴化をおこなう。上がりで67.8s。おきなわに取り組んで初の67s台!これは気分的に明るい材料。前回お伝えしたように菓子パン、揚げ物をやめたおかげで春からトータル5sほど減量。それに加えて日常的にグルテンフリーに近い生活を約3か月やっていました。週末は少しグルテンも食べましたが、かなり摂取量は減ったはずです。と、いかにも意識高い風ではありますが、水曜まではふつうに晩酌して毎日350缶を2本(以上のときもある…)グビグビ。つまみはチーズとかにして、スナック類はとにかく敬遠。強い方はふつうにやっていることではあるのですが意志薄弱、自意識過剰な自分としては、まあ及第点です(笑

スペシャライズド社員による「ツール・ド・おきなわ」チャレンジ 2019 その1 おじさんと若者、それぞれの目標>

スペシャライズド社員による「ツール・ド・おきなわ」チャレンジ 2019 その2 今年の機材はRoubaix+チューブレスがトレンド!?>

そして、金曜からはウォーターローディング開始。これはまさに死活問題なので、1日4リットルを目安に、常時カラダに流し込んで、上から下へという感じ。尿が透明になるまでやると当日をいい感じで迎えられます。土曜の午前中は、初挑戦の板垣響とクルマでコースチェックへ。これは何回やっても意味があり、即効性の高い準備のひとつ。コースを覚えると安全回避にもつながりますし、我慢しないといけないポイントも明確になります。今年はちょっと厄介な工事箇所があったので事前に見ておいて安心でした。普久川ダムの上りでは板垣さんが試走。うーん、軽快な走り。おじさん、ちょっと焦ります。

午後は弊社ブースでイベントのためメーン会場へ。ブースでお会いするリテーラー様、参加者のみなさんと交流、情報交換します。そして、物販ブースで補給食を調達。今年はスペシャルなものを一切排除。事前に調べておいて、現地調達です。荷物も減りますしね。なので、ジェル兼ドリンクの中身は「マグオン」。そしていつもお世話になっている沖縄輪業さまのブースでミネラル錠の「2ラン」を購入。夜は宿で身に付けるものとボトル、補給食を、前年の写真を参考に忘れ物がないように整理整頓します。どっちのポケットに入れるかなどもあらかじめ決めてからメモして寝ると、当日の初動が早いので。


味はランダムに。カフェイン入りとそうでないものは1:1で購入。
ちなみに事前の練習で10パックほどを使って味に慣れておきました。



前夜はベッドで持ち物チェック。ジェルは6パック。ボトル3本のうち2本は1パックを水で溶かし、1本は2パック入りにして濃い目に。胃腸が弱いので固形は一切とりません。補給食はスタート地点で待機する際に食べる分も用意します。


機内でもとにかく水、水、水。水もらいすぎでCAさんも呆れ顔。


快調に試走中の響くん。若いってすばらしい!


例年よりも涼しい気候に気分もリラックス? 何年か前の酷暑では上りの至る所、死屍累々。動けなくなる人多数だったので、当日の天気、気温は重要な要素。


当日の朝食は吉ギュウ!お肉は避けるべきだった。。。消化が思ったよりも悪かったです。

前日の夜は行きつけの「名護曲」(なごまがい)さんでジューシー(炊き込みごはん)と沖縄そば(小麦粉解禁!)をしっかり食べてぐっすり就寝。この日ばかりはビールはなしです。今回は食事なしのB&Bに泊まったので、当日朝は4時起床で24h営業の吉野家で朝定食を。5時に一緒に出場する、TCR日本人初完走の忠鉢信一さんのクルマに拾ってもらい、スタート地点の国頭の道の駅まで移動です。おかげで整列は2列目左端を確保。ほとんど人がいない時間帯なので混雑もなく、トイレで軽量化を完了。星が見え、例年にない放射冷却のような感じで非常に寒かったですね。ウインドブレーカーを用意しておいてセーフでした。交通規制ぎりぎりまでクルマで待機して、陽が上がったころに外へ移動。忠鉢さんと話をしながらひたすらスタート待ち。2時間前くらいにRoppongiチームがアップに出かけるころにはほとんどの参加者が揃います。210qの先頭、しばらくして集団が通過すると一気に緊張感が高まります。

忠鉢信一さんについて>


スタート地点の国頭村の道の駅は昨年リニューアル。トイレ、ベンチが増えて便利に。

140qオープンが召集されスタートします。僕が出場する140qマスターズはその10分後にスタート。今年、新設されたクラスですが、シード選手がスタートラインに並ぶと、ずいぶんと豪華なメンバーであることが改めてわかります。Roppongi、SBC Vertex、知り合いが多いだけに実力がわかるので、レベルは非常に高い。でも、なぜか自分自身の緊張感は低いまま。いや、これがリラックス出来ている証拠なのか、とかもう訳わからないうちに号砲一発。


ゆるスタートな感じ(笑)隣の黒ジャージが忠鉢さん。(Photo thanks : メイストーム・大西さん)

左グリッドでそのまま上りの入り口まで走ります。途中、路肩のすすきにハンドルを引っ掛けて、一瞬ヒヤっとする場面もありましたが、そこはCXer、マウンテンバイカーの年の功でやり過ごします。トンネル抜けると「海が見えるから〜♬そのままドン突き」ではなく、上りに向けて、大集団は一気に加速。まずまず、いい位置取りで登りはじめます。いい感触、苦しい感じはないです。フロントもアウターのまま。ただ、もう先頭集団はペースアップしていて、第3パックくらいにいるようです。暑さも感じず、トルク気味にペダルをこいでいきます。しっかり集団に着いていけているのは自分でもわかります。“やんばる”の道標が見えてきて間もなく頂上。そこから少し下って上って補給所。東海岸のT字路にでて左折すると少し集団からバラけてしまい、同じペースの選手が見つかりません。去年と同じパターン。少し焦ります。そして、もうまかり間違っても先頭には追い付けないという現実にも直面します。 

自然と集団が形成され沈静化。奥の100qスタートあたりでは30人くらいのパックになっていたでしょうか。自分を含む前の6〜7人がローテに参加。かつての当社契約ライダーであり同世代の柴田健太郎氏の姿も。昨年も同じクラスで、最後の羽地ダムは一緒に下った仲。シンドイの連発で、三味線かなと思いつつ本当につらそう。上りに入るといつの間にか消えていきました。 

ああ、やっぱり引かされている… 少しでも脚を削らないようにと思ってもうまく後方で温存できないでいると、そこに忠鉢さん登場。辺戸岬からの15kmは絶対引いちゃ駄目ですよ、とか事前に講釈垂れていたのに、自分がそこにまんまとハマっている現実。このわずか15kmがあとで堪える。わかっていながらローテの頻度があがる。回さない人はどこまでいっても回さないのだ。自転車に限らず何でもそうだね、とか頭のなかでグルグルしながら、グルグルとローテしているわけです(笑 辺戸で残り100kmの表示が出るも、あまり現実感がない。まだ余裕がある。 

集団内で声のでかい人がいて、共闘してペースはそれなりにと言っているのだけど、それはそれで賢い走り方だし、完走は手堅いと思うのだが、一方でせっかく集団なのだからローテ人数増やせばペースアップできるだろ、とひとりごちる。ここまで足つりの気配なし。さりとて、一気にペースアップして振り切る脚もなし、という状況の中、集団で2回目の普久川ダムを看過なく。忠鉢さんはどこかで飛び出して行ったきり。無事にゴールまで届いてくれと願う。東までは我慢するのだ。というのが今回の大きなポイント。そのあとの慶佐次、安部の波状的に続く坂に備える。どうも喉が渇く感じが薄く、補給食も2パケ開けた程度。普久川の補給ではスポドリ1本をもらうのみ。これがあとで祟る… のは世の常。ともあれ運命共同体。これがレース。四の五の言っても集団でいられるだけでも有難いんですよね、実際。そもそも自分で飛び出せる脚がないんだし(笑 

そして、東のあたりでサドルの座りが定まらなくなります。後傾にしたり、坐骨を当て直したり、恥骨結合で前乗りしたり。いよいよハムストリングに違和感、ツーラン(ナトリウム錠)をレ―パンのすそから取り出して噛みつぶします。まあ、いよいよ来た!という感じでしょうか。もうペースは上げられないのでとにかく集団内にステイ。もうこのまま連泊、自分ち状態です。慶佐次の最後の補給所では、ほとんど空になった前ボトルを捨て、水に入れ替え。後ろのボトルも1/2残量だったが捨てて水に入れ替え。マグオンの残量は十分だったのでボトルは2本とも水に。背中に温存しておいたマグオン2倍のボトルも廃棄。 

安部まで来ると残り40qの表示。本当? という気分。ランチライドあと2回分か、と置き換えて紛らわします。大浦の入り口まで平地が続きます。2回目の大きな足つり後でかなりしんどい状況ですが、完全に脚が売り切れているわけでもなく、苦し紛れに踏んでいくような感じ。つらい惰性。やはり先頭を7、8人で回します。ちょうど写真のあたり。結構文句言いながら回してひたすら耐える。 

そうこうしているうちに大浦を過ぎて、羽地が近づくと集団がペースアップ。ここでか!という感じですが仕方ない。もう協調する脚は残っておらず、一つ目の急登でさらに大きな足つり発生。羽地ダムはもう目の前。ということはゴールも間もなく。上りきればあとは惰性で進める。なんとかトンネルをくぐり、右折して応援の人たちが大勢いるポイントへ。ここで、見ず知らずのひとが一杯のコーラを恵んでくれる。この一杯に助けられリフレッシュ。シクロワイヤードの綾野カメラマンがゲリラ兵よろしく路肩から名前で呼んでくれる。こういうのが最後になってくると有難いんですよね、本当。 

応援ゾーン過ぎると並走する人もおらず。気がついたら13:50。関門締め切りまであとわずか。下りは全開で飛ばします。このあたりの展開は去年と同じ。なんとか川上の交差点に間に合い、地元の方の応援の鈴なりに励まされ、残り6qだ! もちろん、もう一人旅。イオン坂で四頭筋とハムをゲンコツでたたきながら登り、残り平地は40q/hの巡航。意味なし。完全に自己満足ですが。ほどなく左折して目抜き通りに。残り300、200、100m… 

戻ってこれた安ど感、トレーニング不足、これまでならそういったないまぜの感情と記憶が一気に脳内を駆け巡るのですが、どうも今年はそれがない。なんともフラットなニュートラルな不思議な感じでゴール。95位。トップから38分13秒差。6回目のツール・ド・おきなわ挑戦が終わりました。


ゴール後のジャージポケットから。結局ジェルは6袋のうち3袋のみ消費。ミネラル錠は3包すべて使用。験担ぎもあり、最近はレースでも練習でもお守りが欠かせません。

最後に一年の流れを振り返っておきたいと思います。 

ログは重要なデータ。これを残しておくだけで次回の参加のハードルが格段に下がります。準備も最低限の時間で済みます。なんでもそうだと思うのですが、短期間で新しいことを習得して結果を出す方の特徴として、徹底的にリサーチ、過去の事例をひっくりかえして出来るだけ近道をすることがあげられると思います。日々のトレーニングもそうですが、上位に入る方がたはそういったプロセスに長けているのだと。なので、自分のために記録しておくことの重要性をあらためて感じた次第。賢者は歴史に学び、僕のような愚者は経験に学ぶというわけです。 

長い… さて、こんどこそ振り返り。昨年完走後は、12月から1月にかけて主に通勤で乗り込み。片道27km、ランチライド16q、帰宅時48qほどを組み合わせて、月間1200ほど乗った。2月、3月、4月ふるわず600qそこそこ。5月はあづみのCRを挟んで600q乗り込み、すこし上げ調子。6月は800km。7月はその余力でニセコクラシック70kmに出場して、エイジ17位。ちょっとレース勘を得て調子づく。8月は例年高温のなかで高い強度で乗り、9月後半に疲労が一気に出るというパターンだったので、今年はFTPをランチライドで実施。距離はわずか500km。これにマウンテンバイクやスイムを取り入れて体力維持(健康増進程度?)を図りました。10月はもう何やっても仕方ない諦め、開き直り状態。ハムスタースピン福田さんの「高強度で3時間走り切る練習を3回やれば大丈夫」というアドバイスに則り、これを愚直にこなす。3回目はスペシャライズド・ジャパン社員の益田 大貴、板垣 響に加え、元愛三の品川君が一緒というメンタル打撃指数が高いトレーニングでボロボロでしたが、当初の目標をこなしました。 

バイクは当初、Roubaixで行くつもりでしたが、最後の練習でやはり上りはどうしようもない、という諦めから車重の軽いS-Works Tarmac Disc Di2Roval CLX32の組み合わせで決定。これを榎本メカニックに完ぺきに仕上げてもらいます。すると、新車以上のスムースな各部の回転でRoubaix並みの慣性モーメントを発揮。実際、空走区間も増えますし、安心してレースに臨めました。S-Works Turbo RapidAir 26Cの低い転がり抵抗とグリップがプラスの後押しをしていることは言うまでもありません。ちなみにシートポストはRoubaix用のPaveポストを入れて快適性を意図。足つりでもなんとかしのげたのは前半に体力をセーブできたからかも。レース後、Roubaixで同じクラスに出場した福田さんが 「Roubaix最高!安心して乗れます」と言っていたので少し後悔しましたが、Tarmac Discの軽さは十分に生かせたと思います。

新型Roubaixについて詳しく>
Tarmac Discについて詳しく>

また、Vengeが増えましたね、とのお言葉を多方面からいただき、実際にそう感じられました。とくにRoppongi Expressチームはほとんどの部員がVengeをチョイス。昨年の普及活動が報われた瞬間でもあり、ほっと胸をなでおろしました。加えて、赤いEvadeスーツも140qクラスで2名ほど確認出来、こちらも少しプロモできたかなと思います。

ロードレースの“戦闘服” Evade Skinsuitで完走を目指す>

ツール・ド・おきなわは毎年何かの学びが得られる大切な場所。来年もまたこの場所に帰ってこれるよう1日1日を大切に、家庭、仕事、趣味に精進していきたいと思います。


視認性の高いハイパービズコレクションで完走したスペシャライズド・ジャパンの社員と笑顔でパチリ。photo: Shinya Enomoto

視認性の高いHyprVizコレクションについて>

【筆者紹介】佐藤 修平(SBCU先生)
スペシャライズドが提供する製品やサービスについて、その機能や特徴を販売店やエンドユーザーへと伝える「SBCU」のメンバーであり、フィッティングサービスを統括する。過去のツール・ド・おきなわでは、2014年に市民140kmを完走、2017年に市民210kmを完走。2018年は体調不良に苦しみつつも、市民140kmを182位で完走。2019年はニセコクラシック 70km Men 40-49で17位に入る。最近はMTBライドに傾きつつある45歳。

[使用機材]
バイク:S-Works Tarmac Disc Di2
ホイール:Roval CLX32
タイヤ S-Works Turbo RapidAir 26C
サドル:S-Works Power

関連記事:
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